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買ってよかったもの
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本についての本を続けて二冊読んだら、偶然にも双方に本書が取り上げられていた。読むしかないでしょう。 一冊は、向田邦子といえばこの人、と誰もが頭に浮かべる久世光彦の『美の死』。その書評タイトルは『これ一冊でいい』である。 向田邦子の言葉と文章についての本は、これ一冊あればいい。そして、もうこれ以上なくていいと思う。なぜかというと、この人の言うことは、これまで向田邦子について書かれた多くの文章と違って、冷静すぎるほど冷静で、どこにも感傷的な賛嘆や憧れがないからだ。いままでの大方の文章は、向田邦子の人格や作品や、その生涯までを、まず全的に肯定するところから始まっている。つまり、これは〈鑑賞〉とはおよそ矛盾する〈感傷〉の立場ということだ。したがって、ここで向田邦子の人間と、文芸の混同という困ったことが起こる。それを峻別しているのが、高島俊男の『メルヘン誕生』(いそっぷ社)である。 と久世は冒頭に述
「はじめに」で著者は、次のように述べている。「ここではひとまず、芸術家としての太郎はカッコに括る。わたしがひたすら執着を覚えてきたのは、思想家としての太郎であり、とりわけ「日本」について物語りする太郎であったからだ。その再評価こそが、わたしに託された仕事だと感じている。」 本書は、岡本太郎が残した膨大なテキストを丹念に読み解く作業から成り立っている。ときには、どこまでが太郎の文章で、著者の言葉はどこからなのか判別がつきにくいほどに、太郎と著者の文章は渾然一体となっている。パリ留学時代、中国最前線での戦争体験、縄文時代との出会い、東北、沖縄、そして朝鮮と移り行く太郎の目に映ったものを、著者は追体験することによって、太郎の綴った文章からその息づかいや込められた思いをくみ取り、現代を生きる私たちの前に、できるだけ忠実に再現しようと試みる。 大切に読みたい一冊。本書を読めば、岡本太郎の世界をもっと
だいぶ長いあいだ放置してしまったので、もろもろ整理しなければならないと思っています。 トラックバックにしても、友人・知人のブログご紹介欄にしても。 時間はかかるかと思いますが、少しずつ手を入れていきます。 過去の記事もいただいたコメントも削除させていただく可能性もあります。 少しずつやってまいります。ご了承くださいませ。 Yahoo!ニュース|本屋大賞 2021年 ノンフィクション本大賞 受賞 本書の著者、上間陽子さんは、第14回「(池田晶子記念)わたくし、つまりNobody賞」(NOP法人わたくし、つまりNobody主催)に選ばれた。(2021年3月) そして、2021年10月に開設された若年出産のシングルマザーを保護するシェルター「おにわ」の共同代表である。 (2ページ目)暴力から逃げて貧困に陥る女性は「自己責任」なのか 日本社会の歪を考えずにはいられない『裸足で逃げる 沖縄の夜の街の
下手な読み物よりも百倍面白いこと請け合いです。400字詰め原稿用紙一枚にも満たない長さの、つまらないある出来事が「メモ」として最初に提示される。そのメモの内容が98通りものスタイルで書き換えられて一冊を成している本なのである。それだけといえばそれだけだが、そのしつこさ、エスプリ、教養の広さは横綱級。言葉遊びのおもしろさが存分に楽しめます。どのページを開いてもくすくす笑えます。反芻して楽しめます。翻訳がまたすばらしい。ある意味では新しい創作でもある、挑戦的な翻訳です。 さて、問題です。次の35番目の「語音消失」のセクションでは、単語の頭の音が一音抜けています。あなたはそれをすべて埋めることができますか。抜けている文字は、本書では空白になっていますが、ここでは仮に□で表わしてみます。 わたしは□とで□っぱいの□スにのった。□スの□には□びが□るで□リンの□うに□がい□かものが□た。□んだ□ざり
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