昨年は、戦後70年の節目ということで、メディアではさまざまな振り返りが盛んな1年であった。 産業史や経済史を振り返ると、日本は太平洋戦争で負けてすべてを失ってから、再び新しい民主国家を創り直し、近年、中国に抜かれるまでは、米国に次ぐ世界第2位の経済大国として力強くよみがえった。 その大きな原動力となったのが製造業である。旧財閥系の企業だけでなく、ソニーやホンダなど、戦後の新興企業が家電や車の業界に旋風を巻き起こした。 日本製の工業製品は、世界最高の性能と品質を誇り、メイド・イン・ジャパンは、世界中の人達が競って買い求めるプレミアムブランドとなった。 古い映画だが、世紀の大事業として語り継がれる黒部ダムの建設を描いた『黒部の太陽』などを観ると、高度成長を支えた電力事業などのインフラ産業においても、そこに描かれている戦後の経済人や企業人には、国家再興に命を懸けたプライドや気迫がみなぎっていた。
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