週刊!深読み『ニッポン』 日本の政界ではここ数日、安保法案をめぐって与野党の激しい攻防戦が繰り広げられている。一方には与党・自民党、もう一方には民主党を初めとする各野党が陣取り、双方は互いに非難し、譲ろうとしない。焦点は唯一つ、集団的自衛権の行使にかかわる安保関連法案を今国会会期中に成立できるかにある。安倍首相率いる自民党は、安保関連法案を一気に成立させ、集団的自衛権の自由な行使を可能とし、日本の軍事大国化に必要な国内の法的基盤を整えることを目論んでいる。一方の野党は、安倍内閣の暴走を食い止めるため、安保法案の採決をできるだけ遅らせようとしている。安保法案をめぐって与野党各勢力が激しい論争を展開する中、安倍首相は法案成立のための国会会期の大幅延長に踏み切った。強引なこの手法には様々な非難が上がっているが、安倍首相にとっては最後の一手となる。(文:厖中鵬・中国社会科学院日本研究所副研究員)