かなり変わったタイトルだ。わかりにくいといえば、わかりにくい。仮に意味の見当がついたとして、アメリカに「無意識の意思」なんて言葉があてはまるのか、訝る読者も多かったろう。 著者が言いたいことは、こうである。勝手に要約する。 アメリカの経済が強大だからといって、資本主義の中心がアメリカにあると思わないほうがいい。歴史的にみると、アメリカが心底で自由主義市場を辛抱しているかどうかは疑わしい。たとえば大恐慌のあとの超保護関税法であるスムート・ホーレイ法をとっても、アメリカは本来はモンロー主義の国なのだ。 これをいいかえれば、アメリカは骨の髄からアウタルキーの国なのである。自立経済型なのだ。それを自由市場に与したのは、イギリスが経済破綻から自由主義を放棄してカナダをアメリカから切り離し、帝国特恵関税システムの中にくみこんだときからである。けれどもそこへ、遅れたイギリスがまたまた市場経済に入ってきた