はけなどを使って泥のついた史料をクリーニングする大学生ら=山形市上桜田3の東北芸術工科大で、2011年12月13日、浅妻博之撮影 ◇学生たちに支援の輪 山形市の東北芸術工科大の一室で12月13日、マスク姿の学生らが地道な作業に取り組んでいた。津波をかぶり、泥だらけの書物を1ページずつめくりながら、はけや竹べらで丁寧に泥を取り除く。学生らは「山形文化遺産防災ネットワーク」(小林貴宏代表、以下山形ネット)の呼び掛けに賛同して集まった。 被災地では地域の民俗や風習を伝える古文書などの歴史資料が被災したまま埋もれ、復旧作業の際に処分されることが危惧される。小林代表によると、95年の阪神大震災後に古文書などが放っておかれ問題になった。それを教訓に各県で史料を救済するネットワークができ、組織的な保全活動になっている。 山形ネットは、4月に宮城県名取市の県立農業高校から地元の文化財救済団体を通じて依頼を