奈良県明日香村の奈良文化財研究所(奈文研)飛鳥資料館は10日、奈文研設立60周年を記念して19日から12月2日まで開く予定だった特別展「花開く都城文化」を延期すると発表した。中国当局が展示予定の文化財の輸出許可を出さないためで、同資料館は今後10日以内に展示を縮小して開くかどうかを判断する。 特別展は、中国や韓国の研究機関と共同で続けてきた古代の都城研究の成果を紹介するもので、同資料館が2年前から準備してきた。中国社会科学院考古研究所からは、前漢〜唐代の鏡や仏像などの国家1級文物14点を含む計93点の文化財を借りる計画で、今月13日に日本に到着する予定だった。 しかし、9月11日に日本が尖閣諸島を国有化した後、同研究所から飛鳥資料館に「輸出できない可能性が出てきた」と連絡があり、現在も許可は下りていない。松村恵司・奈文研所長は「日中の国際関係悪化に起因する意図的な措置なら大変残念。一日も早