オバマ大統領がロシアの「仲介」によってシリアへの軍事介入を止めてから、一か月。化学兵器をどう処理するかは国際機関に投げられ、その対応にあたる化学兵器禁止機関がノーベル平和賞に輝き、とりあえず「国際社会は化学兵器対策をちゃんとやりました」的アリバイは整った。 一連の流れのなかで気になるのは、オバマの振り上げた拳をおろさせることに成功したロシアの行動について、巷間出回っている説明である。日本のメディアの解説を読むと、多くが「アメリカはシリア反体制派を支援vsロシアはシリア政権側を支援」→「アメリカの弱腰につけこんで、ロシアが同盟国シリアの救済に成功」という論調だ。 そしてなぜロシアがシリア政権を支援するか、という説明には、曰く、「ソ連/ロシアにとっての武器輸出相手国としてのシリア」、「シリアが中東での唯一のロシア拠点」などなどが挙げられている。ロシアの近年の武器売買契約を見ると、アメリカが心血