営業休止から21年、廃止から14年。駅舎に入り、地下のホームに続く階段は「タイムトンネル」だった。改修工事を前に、19日に報道関係者に内部が公開された京成電鉄の旧博物館動物園駅(台東区上野公園)。レトロな切符売り場、改札、時刻表、落書き-。鉄道ファンが心を躍らせる光景が、そこにあった。秋には一般公開が予定されており、新たな上野の観光名所となる可能性が広がる。 (井上幸一) 「これが有名なペンギンの『壁画』。東京芸大の学生が描いたとの説があるが、記録はなく、立証はできない」。下り線ホームの絵の前で、京成電鉄の広報担当、道吉優作さんが語った。ぼろぼろの壁には、休業当時の時刻表も。平日の昼間は一時間に四本以下と少なく、「ホームが短く、四両編成しか停車できなかった」と道吉さんは解説する。