東日本大震災の写真や動画などを収集、公開しているデジタルアーカイブを閉鎖する動きが目立ってきた。運営する自治体や民間団体が、システム更新などに伴う維持管理費の重さを理由に、他の機関にデータを移す例が多い。震災発生から間もなく12年。息の長い記憶の継承を見据え、存続を下支えする技術開発も進んでいる。(報道部・柴崎吉敬) 【表】閉鎖された主な東日本大震災のデジタルアーカイブ ■新たな情報減る 「システム運用上の都合により、次のとおり公開を停止いたします」 青森県の八戸市、おいらせ町など4市町が共同運営する「青森震災アーカイブ」は2021年6月からサイトが閲覧できない状態が続く。岩手県1市2村の「久慈・野田・普代震災アーカイブ」も同年4月に公開を停止。共にサイトを閉じる方向でデータの移行先を調整している。 八戸、久慈両市によるといずれもサーバーなどの更新時期で費用捻出が難しかった。八戸市防災危機