県教委は9日、熊本市池上町の池辺寺(ちへんじ)関連遺跡で、池の遺構と赤色の鉄製の矢じり、矢じりを差し込む竹製の矢柄が見つかったと発表した。遺構は、平安期の「続日本紀」に登場し、池辺寺の名前の由来になったと伝えられる伝説の「味生池(あじうのいけ)」の可能性があるという。 続日本紀には、奈良時代の国司・道君首名(みちのきみのおびとな)が和銅年間(708〜715年)に築いたとの記述があり、干害対策として国を挙げた公共事業だったとみられるが、これまで場所は未確認だった。 遺構は約200平方メートルで、池の一部とみられる。排水施設など人工池であることを示すものは見つかっていないが、文献などで推定されていた地域と重なるという。 矢じり(約10センチ)は約1200年前の平安時代初頭のものとみられ、池の遺構から出土したのは、全国初のケースという。赤色は、サビの可能性もあるが、顔料(ベンガラ)による塗装だっ