この土地じゃ、病院ですらも砂っぽく、埃っぽい。こんなの俺の田舎でさえも信じられないことだ。くそったれ。廊下はまるで20年も掃除をしていない古ぼけた屋敷みたいに歩くとジャリジャリと音を立てるんだ。クソッタレイラク人のジジイが、モップをもってし切りに床を拭いているんだが、見ていて哀れになるぐらい何の意味も無い行為に思えちまう。自動ドアが開くたびにロビーに砂が吹き込んでくるんだからな。 ふたたび、俺がその砂だらけの廊下を通ってジェネシスを見舞いに行ったのは、あの馬鹿げた神様の話を聞いてから1週間してのことだ――まったく本当にふざけているとしか思えない。ジェイムス・ブラウンが神様だってよ。たしかにヤツはゴッドファーザーだったかもしれないが、片手じゃ足りない逮捕歴を持った男が神様になれる天国なんか、フランク・ザッパが大統領になれるアメリカみたいなものじゃないか。一体、やつはどうしちまったんだ? 「お