法科大学院を卒業して、就職口が見つからずに、いわゆるノキ弁(事務所の軒先を貸してもらっているだけの原則事務所から給料をもらわない弁護士)をしている新人弁護士が、アメリカに留学してアメリカの弁護士資格を取得したいと熱く語っていた。どうやら、その弁護士には色々な誤解があるようである。同じような誤解をしている弁護士のために、幾つか問題点を列挙しておこう。 アメリカに留学してロースクールでLL.M.の学位を取得すること、ニューヨーク州の弁護士資格を取得することは資金さえあれば案外簡単であるが、修習もなく、比較的簡単な司法試験に合格したところで、「ニューヨーク州弁護士」は名刺の飾りに過ぎず、実務に関する知識は限りなくゼロに近い。 では、日本の四大大手事務所所属の弁護士のようにアメリカの事務所で研修させてもらえばよいと思うかもしれないが、そんなに甘くない。日本の大手事務所の弁護士がアメリカの大手事務所