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パリ五輪
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ポパーの洞察を解説するのに役立つおもしろい逸話がある。一九一九年当時ポパーはアドラーがウィーンの労働者地区に設置した児童相談所で子供や青少年のために働いていたのだが、夏のある日、格別アドラー的とも思えない事例を報告した。すると、アドラーは、その患者を見たこともないのに、みずからの劣等感理論によってなんなく説明した。いささかショックを受けたポパーが、どうしてそれほど確信をもって説明できるのかと尋ねたところ、「こういった例は千回も経験しているからだよ」という返事だったので、ポパーは──筆者が思うには、相当に皮肉のこもった眼差しを向けながら──「で、この新しい事例で、先生の経験は千と一回になるんですね」と言わざるをえなかったという。 この話、ポパー哲学について以前に解説を聞いたことのない人には、言わんとしていることがまったく掴めないのではないかと思う。若干の解説を加えるためには、まず、アドラーが
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