この映画の題名「カリスマ」とは、人を惹きつける強い力を持つ、一種宗教的な絶対的な磁力を持った人物を指すという。 そして、この作品に登場する「カリスマ」とは一本の木であり、その木は強い毒性を保持するがゆえに、周囲の森の生態系を殺すと語られる。 更にその「カリスマ」が、今は廃墟となった病院を経営していた故人の院長が、中国大陸から持ち込んだのだと、その木を世話している桐山という青年は説明する。 この設定を受けて、個人的には「宗教」のアナロジー、更には旧日本帝国のような「宗教的な権威を元にした国家体制」を想起した。 その宗教的な権威自体、中東のイスラム教を主軸に置いた体制や、北朝鮮の独裁者をカリスマに祭り上げる国家など現代でも存在しはするが、概ね宗教の弱体化に伴って過去の遺物である印象が強い。 いずれにせよ「カリスマ」という木が表すのは「宗教的世界観」と、それに従って生きる人々を示していると、個人