「英語の歴史―過去から未来への物語 (中公新書)」という非常に面白い本の中に,所謂「法助動詞」の中の can, may, must の3つに触れている箇所があります. これらの助動詞は,それぞれが似たような複数の意味を持っていて,英語学習者にとっては混乱の元となっています.受験勉強で苦労した記憶がある方も多いのではないでしょうか. 本書の記述は,そこに新しい視点を与えてくれます.私は目から鱗が落ちるような思いを味わえたので,ここに書いてみようと思います. まずは,can, may, must それぞれの,意味の変化についてです. can can の元々の意味は,「知る,知っている」.She can speak English. は,「彼女は英語の話し方を知っている」という意味でした.そこから,「彼女は英語が話せる」,つまり「〜できる」<能力・可能>を表すようになりました. その後,can