大豚wの食券を買い列に並んでいると後ろの男に 「バトルどうですか?」と声をかけられた。 「いや、結構です」と返すと男は俺にだけ聞こえる声で呟いた。 「そんな事言わずに。アンタ、品川のハリケーンウルフでしょ?」 俺の顔に緊張が走る。確かに俺は2年前まで品川店でファーストをはる百戦練磨のロッター、 通称「ハリケーンウルフ」だった。 だが今は一線を退いてるこの俺に何故?後ろを振り返りその男の顔を一瞥すると男は続けた。 「今のウルフさんの立場は承知しているつもりです。ただ我々はウルフさんに協力して頂きたいだけなのです」 「どういう事だ?」と俺が返すと 「ウルフさんは現在の二郎を取り巻く環境の変化をご存知ですか? かつて連日繰り広げられた死闘とも呼べるロットバトルはなりを潜め、今ではロットマスターだの麺バーだの馴れ合いばかりです。 その結果、ロット荒らしと呼ばれる無法者を野放し