論説:参議院の合区問題に関する、只野雅人さんの論説です。ぜひお読みください。 参議院の合区問題を考える 只野雅人(一橋大学) 最高裁判決と合区 参議院議員選挙は、全国を1選挙区とする仕組み(比例区)と(96議席)、都道府県を選挙区とする仕組み(146議席)を組み合わせて、行われています。後者については、参議院が3年ごとに半数ずつ改選されることから、各都道府県に、人口を考慮して、偶数の議席が配分されてきました。都道府県を選挙区とする仕組みは、参議院の発足以来、ずっと維持されてきました。しかし、2015年7月、鳥取県・島根県、徳島県・高知県をそれぞれ一選挙区とする合区が、はじめて行われました。最高裁判所の判決を受けた措置です。 参議院選挙区選挙(都道府県選挙区)をめぐっては、議員1人あたりが代表する人口(有権者数)の較差が問題となってきました。最高裁判所は、かつては、参議院の独自性を理由に、最