通信制の大学で、哲学という学問をやろうと考えたのは、当初なにげない気持ちからだった。そのころはまだ15年いっしょにいたミィさんも存命で、僕は介護施設で介護福祉士としてふつうに働いていた。 思えばのんびりとしたものである。当時はミィさんに甘えていて、危機感など皆無だった。最初は文学をやるつもりだったのだが、なにかこう哲学という響きに心惹かれるものがあった。ただそれだけのことだ。 施設介護の仕事だから、土日休みではない・3交代・希望休は月3日まで。こんなので4年で卒業できるわけがない。10年ぐらいかかるんじゃないかなんてこれまたのんびりしたものだった。 それがいまとなっては、介護の仕事も辞め、哲学にのめりこむようになってしまった。万物は流転するとはヘラクレイトスが提唱した哲学の概念であるが、人生もまた、思いもよらないところへと流転するのであった。 今日のところはこれまで。ごきげんよう。この呼吸