サクサク読めて、アプリ限定の機能も多数!
トップへ戻る
買ってよかったもの
ryota-t.tripod.com
フーコーとクイア理論 タムシン・スパーゴ 著 / 吉村育子訳、岩波書店 「ポストモダン・ブックス」というシリーズの一冊。このシリーズ、なにやら「岩波書店」らしからぬ「軽快」な体裁と、最新の話題をチョイスした「フットワークの良さ」に注目している(『エーコとサッカー』とか『ダナ・ハラウェイと遺伝子組み替え食品』、『ヴィトゲンシュタインと精神分析』といったタイトルが興味をそそる)。 で、この本、本文もさることながら、土屋恵一郎氏の解説が抜群に良い。それはこんなエピソードで始まる。 フーコーがその来日中に定宿していたのが、新宿二丁目に通りをはさんで立っていたラシントン・パレスという小さなホテルだった。(中略)新宿通りに面して新宿二丁目のゲイ・バー街に出没するには格好の場所だ。しかしそこも実はロラン・バルトの方が先に定宿していて、バルトに教えられてフーコーはラシントン・パレスに居を構えたのだ。何をや
このゲイ小説ベスト100はアメリカの"The Publishing Triangle"という団体がリストアップしたものです。(ニュースソースは Data Lounge です) 翻訳があるものについては知っている限り邦題と出版社を付け加えました。英題からの推測なので、間違い等があるかもしれません。追加訂正等をお知らせいただければありがたく思います。 リストの印象としては、1位がトーマス・マンの『ベニスに死す』というのは、正直意外に感じました。また地域的には英米作品が多いのは当然ですが、ペトロニウスからバルザック、三島、デニス・クーパーまで選ばれているのがユニークだと思います。ただやはり古典的傑作が多く選ばれていて、デヴィット・レーベットやクリストファー・デイヴィス等の若手はないようです。 個人的には僕の大好きなイーブリン・ウォーの『ブライズヘッド再び』やヘンリー・ジェイムズの作品がリストされ
「私は凍ったぶどうが好き 何の味もしないから 椿の花も好き 何の香りもしないから 金持ちの男たちが好き 何の心もないから」 「でも、私はあなたが好き なぜならあなたは命だから」 p.85 アルレー流ロード・ノヴェル/On The Road。パリからニースまで、アウディは走る。二人の自殺志願者を乗せて。 中年の女性作家イリスは人生に疲れて死を思い、ヒッチハイカーの医学生アルフレッド(ドゥドゥー)は人生に何も期待していない。二人は偶然出会い、そして三日後に死ぬことを計画する。「最後のバラ色の三日間。あとはみなさん、さようなら!」 猶予は三日。しかしこの三日間に人生の大事件は起こる。途中彼らは銀行強盗に出くわし、壮絶なカーチェイスを繰り広げ、熱い戦いに挑む。まったく冒険小説並みの迫力ある展開に心踊らされる。 そして、4ページにも渡る、これまた熱いシーン。つまりラヴ・シーン。さすがフランスものだけ
ヨーロッパの誘惑 海野弘 著 / 丸善ライブラリー この時代のヨーロッパ、と言ったら、この人だ。 「男子専科」──台湾のゲイ雑誌みたいな書名だが、正統派ファッション雑誌(休刊)──に連載されたエッセイをまとめたもので、19世紀末から20世紀初頭(中心は1920年代)のヨーロッパの魅力について、著者ならではのトリビアな知識が綴られる。 話題はファッション/風俗から文学、芸術、映画、ミステリと多岐に渡る。もともとが雑誌の連載なので、気軽に、そして楽しく読めるのは言うまでもない。しかし、その平易で軽妙な語り口の中に、鋭い洞察が光る。 コクトーは、自らの滑稽さを映す鏡を持っているかいないかで軽妙と軽薄を区別する。軽く生き、その軽く生きている自分を映す鏡を持っているのが、詩人の軽妙さなのだ。そのような鏡を持たず、自由にふるまっているようで、実は、体制に順応しているにすぎない生きかたは軽薄なのだ。 p
このページを最初にブックマークしてみませんか?
『ryota-t.tripod.com』の新着エントリーを見る
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く