サクサク読めて、アプリ限定の機能も多数!
トップへ戻る
TGS2024
teenssexandwarmode.hatenablog.com
『東京無国籍少女』&『血ぃともだち』 いまの押井守監督の実写映画を観ると、「なぜこんな陰惨な映画を平気で作れるのだろうか」という思いになる。 U-nextで仕事がてら、見過ごしていた『東京無国籍少女』と『血ぃともだち』を流し見していた。まるでボクシングの元世界チャンピオンが中年になり復帰し、1ラウンドも動けず、息切れしながら闘っているかのような映画だ。しかも恐ろしいことに、その元世界チャンピオンは自分では判定勝利を確信しているらしいのである。 その陰惨さは巨匠の晩期の作品が持つ弛緩とも違う。単純に「これは映画になっていないのではないか」という次元だ。恐ろしいことに、すべてのカットが「これは映画ではない」と叫んでいる。 大学生の映像学部だかが作った映画なら「若くキャリアを積んでいないし、これからすべての要素を勉強していって、やがてしっかり映画になる」のを期待するなり見捨てるなりすればいい。だ
【「これアニメ化しないんだ?」とは商業上の理由で30代から50代に向け、80年代や90年代の作品がアニメ化され続けるもどかしさに対する、ささやかな抵抗のシリーズです】 いつから現実にコントのようなものが侵食し、みんな受け入れてしまっているのでしょうか? たとえば先日の参院選選挙がそうです。選挙の争点として前首相の暗殺など様々なイシューがありましたが、憂鬱になったのはシンプルに新興の政党やその候補者たちです。NHK党は言うまでもなく、スマイル党や核融合党といった政党が並ぶ姿は壮観であり、「誰が存在を許したのか」という虚しさばかりが漂っていました。 コメディなら笑わせる意図があるのでしょうが(僕は笑いませんが)、残念ながら現実です。誰も排斥せず見ないようにしているうちに存在を許されたらしい(僕は許していませんが)。 そのあいだに異様な現実が構築されていく。Youtubeでの芸能界の内幕語りで知
『天空侵犯』 「NetflixオリジナルアニメとしてTwitterでプロモ広告を打つくらいだから、それなりに自信がある作品なのかな」そう思って観たものは虚無でした。 そこにあったのは絵の綺麗な『MUSASHI -GUN道-』でした。手描きと3Dが混ざることで奇妙な味わいとなった『エクスアーム』が話題になっていますが、本作の手触りはそれに匹敵するでしょう。しかし笑って観ていられるものでもなく、「Netflixオリジナルが日本アニメを救うとはなんだったのだろう」と気が遠くなってゆくのでした。 原作はホラー風味。アニメ化、それを無視 主人公・本城遊理は、突然学校から高層ビルへ飛ばされてしまい、そこで仮面を被った人間による殺人を目のあたりにします。人々が次々と仮面に殺されるか、あるいは仮面の能力により、自殺させられていました。 遊理は壮絶な状況から、兄の理火(りか)に連絡を取るとするのですが、彼も
作家の失敗作を見る豊穣さ 『バースデー・ワンダーランド』はNetflixに来たのではじめて見たのですが、「原恵一であまり評されていない才能が炸裂している作品だ」とはっきり感じました。 すでに失敗作であることをわかったうえで観ることで、その才能が見やすかったといえます。これまでの原監督作品に期待していたものが、ここにはないことを知ったまま見ることで、むしろ別の可能性を発見できたといえます。 その才能とは、おそらく原監督自身が商業アニメで苦手だ、距離を撮りたいと思っていただろうものです。萌えアニメですよ。 本作は失敗作であるがゆえに、これまでの原監督作品で語られなかった可能性が見えます。「優れた作家が失敗作を作ってしまう」というのはよくあることで、そこから垣間見える裏の才能、可能性を観る喜びに満ちているといえるでしょう。「そうか、こんなに女性キャラクターを映すのが上手な人だったんだ」ということ
Netflixオリジナル BNA 視聴フル トリガーと中嶋かずきさんがNetflixオリジナルとして公開した最新作『BNA』は、『プロメア』以降、過去の日本TVアニメやサブカルチャーのサンプリングで作る方向から一歩進んだところでできていると思います。 それよりも、アニメーションの方向が明らかに『ズートピア』以降にあわせたものを作ろうとしてますね。脚本のお話しちゃうとここの書き散らしのコンセプトとずれるんですが、中嶋かずきさんは『プロメア』からひき続き、いまのテーマである人種のマイノリティ・マジョリティのアナロジーとして物語を作っているのは明白でしょう。 ほかの脚本家を見ても、英語圏から進んでいるいろんな人種やセクシュアリティを描いていくこと方向が見られます。大河内一楼さんは『Devilman Crybaby』や『ぼくらの七日間戦争』にて、現代のガジェットも描きつつ、いろんな人種や性を持つ人
『都市投影劇画 ホライズンブルー』 『ホライズンブルー』は2020年に観たことで、むしろ何が描かれているかがよくわかった。もし作中と同じ90年代に完成し、観ていたとしたら、きっと残酷な感想を抱いただろう。あの時代は人間が限界にある状況を「そういうものだ」と見切ったふうに、現実を浅はかに見ていたころだから。 原田浩監督は商業でも、ましてや短編アートアニメにもカテゴライズしきれない。映画の制作・配給・上映、そのすべてをほぼ一人で行い、社会から切り離された人々の見世物小屋へと変えてしまう。詳しくは2014年に書いた特集を読んでほしい。その時「2019年に完成が予定」となっていたのが『ホライズンブルー』だ。 『ホライズンブルー』は近藤ようこの漫画を原作としている。1990年代から制作が始まり、20年を超える年月をかけて完成した。シナリオの大筋はこうだ。母親となったばかりの春子が、自分の赤ちゃんに手
ソマリと森の神様 視聴11分 本編のキャラクターや大筋以上にすごく考え抜かれた色彩設計と美術設計に目を奪われます。原作と比較して、イラストレーションや絵本みたい画風を意識しており、観やすさを優先した設計ではないことは確かなんですよ。 背景美術が物語の印象も変える 原作漫画のよくできた絵で、色彩設計的にはふつうであるものとアニメ版はかなり印象が変わっていて、まじめなレビューみたいに言えば「化け物が社会を成している中で、唯一の人間の子供が入りこんだ」という物語に呼応した、若干の違和感を感じさせる背景美術をつくり上げているんですね。 特に、絵本的な絵肌で柔らかく描きながら、どの色もわかりやすい使い方じゃないのが特殊。紫~エメラルドグリーンあたりのカラーパレットで、うっすらとした違和感が生まれています。 色彩の配慮UHFアニメの背景美術って「青空はほんとに青」くらい色彩の繊細な配分はないから、「い
異種族レビュアーズ 視聴15分 Netflixオリジナルが話題になって2年。漏れ聞くのは、当初の黒船や救世主みたいな期待ではなく、シンプルに “Netflixのアニメはつまらない”という感想です。 これはもちろん日本のオリジナルアニメに対してのものがほとんどだと思いますし、わからなくもありません。しかしそれ以上に、日本のUHFアニメを観る慣習と深い溝を感じさせもするんですね。 それがなんなのかを、UHFアニメですごいテーマを扱う『異種族レビュアーズ』を絡めた書き散らしです。 ①そもそもの日本アニメ界を救うみたいな期待が大きいから Netflixによる日本アニメ全体を救う、構造を変えるみたいな言説は、ここ数年何度も出ていますよね。みんなアニメが好きなので、制作会社にお金が入らなかったり、アニメーターがひどい待遇であることを危惧しています。 Netflixに注目が当たったのは、特に現場の問題が
マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝 視聴15分 商業アニメでキャラクターやシナリオよりも、演出に特化したり、凝ったアニメートを見せたりすると、一部で観ているひとは嫌がったりしますよね。「作っている人のオナニーだ」なんて言ったりして。 こうした批判って、いくつか思うところがあります。観る人側からすれば、キャラクターやシナリオに凝った演出やアニメートが生かされておらず、観づらく感じたことをそう言ったりするわけですし、作る側からは観やすさとは違う方向から、脚本以上に絵作りによって伝えたいからというのがあるわけです。 たいていはクリエイティブと受け手はすれ違うのですが、ごくまれにマッチングすることがあります。それが『まどマギ』だったのではないでしょうか。 さて『マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝』は、すごく観やすく作られています。それが凝った演出やアニメートが特徴だった前作と比べ、
www.youtube.com 『あの日の心をとらえて』 視聴フル ひさしぶりに1シーズンを書き散らそうと、2019年秋アニメ一覧を見て思うところがあります。もはや4,5年前に推していた京アニ、シャフト、そしてトリガーも劇場版寄りになり、UHFのシーンからはやや距離を置き、作風が方向を変えるかしており、WITやBONESといった野心的なスタジオも手堅い原作を取り扱っているな、と感じています。 加えてUHFアニメゆえの、ほとんど偶発的なミックスだけでできてる作品を観ることが少なくなりましたね。『ローリング☆ガールズ』みたいな作品がなかなか出てこないよな、と。 UHFがクリエイティブなシーンではそんなになくなってきてるのかも、と感じる中、サンライズ製作の『あの日の心をとらえて』を観ていると、いよいよこっち側にウェイトは移行しているんじゃないか、と思えます。 退屈な日常にある未来 『センコロール
荒ぶる季節の乙女どもよ。 視聴フル 記事のタイトルは「オナニーを描いたから」ではありませんよ。到達点とは過激な性描写ではなく、性について、まったくもってどうしたものか悩むアプローチを指しています。深夜アニメでありそうに見えて、多くはないテーマですからね。 長年アニメ業界で仕事しており、セクシュアルなものが、どれだけ商業で機能しているか知り尽くしているだろう岡田磨里さんが、原作と脚本なのも興味深いですね。昨年は劇場版アニメの監督を務め、独自のポジションを固めつつあるなか、本作がアニメ化された意味は大きいでしょう。 もともと原作を別冊少年マガジンで連載していたり、実質的に彼女のプロジェクトですよね。『荒ぶる季節の乙女どもよ。』はそんな岡田さんが中核となった、セクシュアリティがテーマとなったしたアニメとしてあるのでした。 エロとバカのふりをしている 「やらないわけには、いかないのです」このコピー
アオハルかよ ワンピース編 ロロノア・ゾロ編 視聴フル 賛否両論あった「アオハルかよ。」続編はなんとワンピース。誰もが知る原作を、青春2次創作する次の手になるほどな、と思わされました。 正直アニメートやデザインのクオリティは高い。原作の要素を隙なく詰め、考察させる手腕もぬかりない。楽しもうと思えばとても楽しめる。でもなにか引っかかる。いわば「原作を完璧にフォローし、批判を黙らせる力」を発揮しているといえます。 以前、電通が本格的にアニメーションで広告展開することを取り上げました。ここで語られているアニメの広告効果を、いまもっとも活用できているのが日清食品でしょう。つまりPRアニメ、日本最前線といっていい。今回はそんな日清食品PRアニメのまとめ書き散らしです。 ここのところの日清食品PRアニメ おそらく日清アニメを企画する人たちは、すごくインターネットを見てますよね。アニメもVtuberシー
つらい気持ちになってきました。萌えとかエロって「おっちゃんが作っているものをおっちゃんが楽しんでいる」ってスラングがあるじゃないですか。ところがそうでもなくて、思っているよりも女性が作っていることが多いですよね。 統計を調べたわけでもなく、印象ですけど商業アニメ全体はなんといいますか、萌えでもエロでも女性的な、抑えられたデザインになっていると思います。しかし、当のエロから、もうもうとあふれ出てくることがあるのです。忘れていたはずの、おっちゃん臭さが…… とほほ隠し処理、とほほ直喩 思いましたよ、『なんでここに先生が!?』でなんでこんなにおっちゃん臭を感じるんだろうと。原作は比較的ライトなエロなのに、どうしてアニメ版ではそう感じるのか? ひとつは局部隠しのトホホ加減かもしれません。「こら」って……これを言葉にするのは難しく、ニュアンスをわかってくれればありがたいのですが……妙に演出を汚く感じ
キャロル&チューズデイ 視聴フル 本作を観ると商業アニメは水準が高いことが当たり前で、そこから外れるアニメが目立つ現象に加担してるとすら思ってしまいますね。どのアニメも、絵のクオリティが高いから「俺が好きなのは妹だけど妹じゃない」みたいなのがやたら目立ってしまうし、逆にアニメ版「ポプテピピック」が作中でAC部を使うことが目立つみたいな。 優れたスタジオは京アニシャフト、トリガー、WITに続いてP.Aや動画工房とうるさい当書き散らしですが、ボンズも最前線のひとつだと言えるでしょう。むしろ商業のバランスと、試したいアニメート、デザインのバランスを考えればA-1やJ.Cの保守性と京アニシャフトの先進性の中間にある、唯一のスタジオといっていいです。しかしですね…… 火星の世界を体感させる美術 まず『キャロル&チューズデイ』はロマン・トマさんとブリュネ・スタニスラスさんの作り上げた世界観をすんなりと
ヒトトキ桐生足利 視聴フル 誰も話題にしておりませんが、人知れず広告アニメーションの世界は広まっております。広告によっては話題のVtuberを使いたいですよね。日清UFOの輝夜月みたいに。さて、そんなブームもあって、群馬県桐生市と、栃木県足利市がPRしている、2019年3月19日に公開された「ヒトトキ桐生足利」シリーズでもVtuberを起用しているそうです。 パッと見て思いますよね。「えっ!?どこにいるの!?」……わかるはずありませんよ。声優として参加していますから。 地方。わたしたちは侮っていたかもしれません。ポニーキャニオンが関わりながら、地元TV局の深夜番組を流しているかのようなオーラに満ちているのです。 「ヒトトキ桐生足利」は家族4人の人生を季節ごとに描いたシリーズです。それ自体は悪くないのですが、群馬テレビのCMを観ているような気持ちになるのはどういうことでしょうか? やはり、こ
dentsu-ho.com 電通がアニメをマーケティングとしてどのように見ているか?という記事を挙げてます。「京騒戯画」、「血界戦線」の松本理恵の最新作が広告アニメーションだというのを振り返ると腑に落ちる記事ですね。 ここの書き散らしでやり始めた、広告アニメーションの世界というのは年々存在感を増しているように感じます。そこで電通が関わるというのはちょっとどうかなーと感じなくもないです。 だけどよく考えてみると、たいていの商業アニメーションは昔から広告的なものじゃないのか?メディアミックスやタイアップといった絡み方を見ても。と思いもしますね。 電通まで参入し、本格的に拡大するであろう広告アニメーションの世界 電通は今年10月に「Dentsu Japanimation Studio(DJS)」を 設立を発表しました。サンライズといった大手はともかくとして、MAPPAやコロリドといったスタジオと
からくりサーカス 視聴フル 心が冷たくなっていくアニメ版のデザインです。原作を映像でトレースする以上がない。元絵をトレーシングペーパーでなぞるだけでは全然いい絵にはならず、書き手の技術が無いと無機質になるのと似ていますね。 実は原作をすべて読み込んでいたんですよ。何回も。いつかアニメになるとしたらこの作風や題材のもっている狂気性を拾える監督やスタジオが付いたらいいな、と思っていました。ですが……と感じましたよ。 今回、学生のころから連載を追いかけていて、思い入れある作品だったので、あらためて『からくりサーカス』原作のなにがよかったか?ってウェットな話を少し書きます。原作の内容を最後まで書いているので了承したうえでお読みください。 人生でただ一度しかない瞬間を終えて 藤田和日郎は『うしおととら』で90年代みたいな性格の悪い時代にも関わらず、ストレートな少年漫画をやりきったみたいなイメージがあ
とある魔術の禁書目録Ⅲ 視聴15分 『とある~』の第一作が放映された2008年。この年以降は、『けいおん!』とか『化物語』といった野心的な作品が深夜アニメで放映されていく時期でしたね。なにが野心的だったかって、当時よくあるアニメ的なデザインから少し距離を置いた作り方をしていたことでした。それが新しかった時代だったんです。 ですが10年たった現在、まわりを見るとどうでしょうか?御坂美琴のデザインを過去にするくらい、周りのラノベアニメのデザインは前進したのでしょうか? 「とある~」の間合いのデザイン 今シーズンのラノベアニメを眺めてみますと『青春ブ(中略)ない』(視聴5分)が近いデザインですね。SFっぽいとこがあっても、わりと学校内の対人関係が中心ならば『とある~』あたりの間合いのデザインになっていることは多いと思います。 では異能力ネタとか異世界ネタだとどうなるか?これが前時代的なデザインに
ゾンビランドサガ 視聴フル 「アイドルアニメは当たらなくなってきた時代に突入したのか否か」こう書いてから1年が経ち、事態はもっと入り組んだところへと進みました。『ゾンビランドサガ』は現実のアイドル事情もアイドルアニメ事情も飽和状態になった末に生まれた、蟲毒です。 ついにこのジャンルは戻れないところまで来てしまった。その意味で今季必見の作品のひとつです。 アイドルの飽和……地下アイドルの地獄……そんな現実を反映するのか 蟲毒。そう思ってしまう要素をひとつずつ書き出してみましょう。まずベースはアイドルを目指す女の子が主人公。いきなりトラックで即死。ゾンビ化する。その状態でアイドルになる。 ここまではまだいい。あくまでアニメ内の設定だから。問題は細かいネタです。 www.youtube.com まずひとつ、現実のアイドルが飽和のあまり、細かいネタでビルドされている事情の反映です。ベタですがヘビメ
『ゴブリンスレイヤー』視聴18分 今年のトピックスとして、Netflixの国内アニメとの共同制作がありました。貧困にあえぐ国内アニメにとって、黒船とまで騒がれていましたね。今年も終わりに差しかかった今、ひと通りの作品が公開され、振り返ってみていかがでしょうか。 teenssexandwarmode.hatenablog.com ぼくとしては「NetflixはOVAだったんだ」という評価をしています。地上波ではできない暴力やエロ描写、センシティブなテーマなどを描く意味で。 第一弾として『Devilman Crybaby』が大きな話題を呼びましたし、現代的な内容が多く含まれているものの基本は人体がバラバラになるゴアな暴力もレイプも解禁された、ハードな描写がポイントです。『バキ』死刑囚編もやっぱりそういうことだよなと思っていました。 地上波やネットで放映できない暴力やエロを実践する場として過去に
ゆらぎ荘の幽奈さん 視聴17分 サブカルチャーが世間から批判されるとき「現実とフィクションを混同する」という言い方が常套句ですけども、思うにこれが本当な分野ってあれではないでしょうか。このブログタイトルが絡んでいてなんですけど、セックス関連ですね。 「現実とフィクションの混同」は莫大なセックスネタが溢れかえっていることで、時々無意味な諍いも起きたりしてますよね。今回取り上げる『ゆらぎ荘の幽奈さん』もSNSですこし揉めていました。 あれは週刊少年ジャンプゆえに目立っちゃったんですよね。少年誌でえっち表現が問題になること自体は昔からあることで、正直大した話じゃないんです。目立ってるところに批判があって、それに対して「読んでないだろ」みたいに言う。それは議論じゃないですよね。それ以前のただの揉め事ですよね。議論にできるだろうポイントを今更ですが表記します。 実際には「現実とフィクションの違いが判
『暦物語』 視聴すこし アニメ・物語シリーズが開始から10年を突破しました。他に追随する作品がないまま、独自の存在を保っています。 2009年~2012年は京都アニメーションとシャフトが全盛を迎えており、客の注目度、セールスのみならず、そのデザインや内容、商業の最大のフックであるキャラクターというものの取り扱いや距離感も好対照を為していたと思います。大ヒット作にもかかわらず、どこか深夜アニメの基本構造から実のところ距離を置いているアンビバレンスがあったと思いますね。今回は思い出語りです。2008~2012年くらいは本当はものすごかった、という。 今2018年ですか……およそ10年ってもう一つの時代を振り返るのに十分な時間ですよね。UHF系のTVアニメがものすごい評価を得て、やがてコアなファンを超えてポピュラーになっていく過程。その過程では本当はドラスティックな変化があったと思います。いろい
ちちぶでぶちち 視聴フル 正式な公開は4月なので春のモードに回すべきなんですけど、知ったのが最近なのでこちらで…… 「この日本映画を誰が見に行くのか。なぜ作られるのか。」がテーマの柳下毅一郎氏の人気連載「皆殺し映画通信」があります。そこで頻繁に取り上げられるのが地方自治体映画で、特に「なぜ作られるのか」という謎の深さが語られております。 駅のホームを歩いていたときに初めて目にした『ちちぶでぶちち』からまず思い出したのはそれでした。アニメで地方が絡む謎の制作が始まっています。大丈夫か?タイトル企画者!ところが実際に観てみると…… www.youtube.com アニメと地方とのかかわりはここ10年で特徴ある現象のひとつですよね。アニメがアニメ単体で完結せず、ビデオゲームやライブイベントと絡むことにもウェイトが置かれているみたいな流れのひとつっぽいです。 ブシロードアニメからランティスアニメま
不気味な動きと言えばVtuberに文化論が発生していることです。プリパラ新作がついにyoutuberやインスタグラマーをテーマにしてしまう昨今ですが、youtuber文化論はなく、なぜVtuberに限りいきなり文化論が登場してしまうのでしょうか。 ひとつの仮説はYouTuberは主要な客が小学生か中学生だから文化論を書いても誰も読まない。ヒカキンやはじめしゃちょーについて真剣に考えるひとがいないから。インスタグラマーはおしゃれなひとたちメインだから怖くて書けないから。(でも今年6月にインスタグラムを中心とした文化論は出版される模様です。) ではvtuberで文化論が出てくるということは、書く側がそれが読まれるという確信を持っているということになるのですが、申し訳ないがそこが不気味です。 今テレビの面白いところを書くてれびのスキマさんや、インターネットやメディア論に強いばるぼらさんが書くヒカ
高畑勲は亡くなったという感じがしない。これは元気で明るかったあの人がふとした時に帰ってくるのでは、と期待する意味ではない。氏の活動全てにノブレス・オブリージュ(仏: noblesse oblige、直訳で「高貴な立場による責務」。概念がいささか広く、フランス語の概念そのままでは階級制度の上下の意味も含んでしまうため、本稿では「文化に対する教養を持つものの使命」という意味に絞っている。)としての日本のアニメーションという意味合いが含まれているのがその理由かもしれない。 たとえば創作を生涯続けるために走り続けている人間の訃報を聞いたとき、まるで未完を目にするような死の印象を受けるし、またある時期に全盛期を迎えるも、時代に合わなくなることで創作から離れたあと作家が数十年してからひっそりと訃報を聞くのも死の印象を強める。しかし高畑勲の訃報を聞いたときそうした印象ではなかった。氏のノブレス・オブリー
キラッとプリチャン 視聴18分 すごいことになってますね……プリパラ新作よくこれやりましたね…… しかしメインのお子様向け年齢層に動画の人気者を勧めるというのはインターネットおっさんからすると冷や冷やしますよ。一歩間違えば「おこづかいをつかわずに漫画をよめるよ」みたいなとこに落ちかねないんじゃないかみたいに思うのは間違ってますか。 そうか「子供にはヒカキンのチャンネル見せてる。暴力的な要素ないから」という話があり、子供はみんなyoutuberはリアルな馴染み深いタレントであるということか……だからこういうアプローチなんだ。youtuberポテトチップスまででてますからね。キャズムを超えて子供向けアニメの題材になるわけですよ。 ちょっと前に「ライフスタイルでインターネットが一番うまく描けているのはアニメだけ」と書いたのですが、今季はインターネットがきれいに浸透してる作品が豊作なわけです。 し
ヲタクに恋は難しい 視聴19分 <前回のあらすじ> 昔はオタクのライフスタイルに直結する感覚のあった作品が「おれいも」とか「はがない」、振り返れば「らき☆すた」とか「ハルヒ」もそうだよな(書いてないけど今思った)と考えてるが、最近はそういうのはないよねという話を書き散らしていたらブックマークにて「ヲタクに恋は難しいってのもあるよ」と指摘が入る。真相を確かめるため調査に向かった。 主人公の部屋の中 「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」を参考でnetflixで見直したら力の入りようは度を越していたんだなと思いました。ほぼ全話のOPを様々なオタク趣味でアレンジしなおし、EDは劇中キャラクターによる楽曲で毎回違うという。さらに作中でベタなエロゲーキャラやアニメを主人公が好んでいる、って設定なので、それとおなじアニメ絵の主人公たちと差別化するために本編のキャラはファッションはあまり同じコーデを着まわ
80年代再評価って2000年代に入ってから各所で行われ続け、現在に至るも続いています。そのなかでもOVAがあれだけ一時代を築いていながらも、なかなか体系的にまとめられたものを読む機会は少なかったりします。 「オリジナルビデオアニメ(OVA)80's テープがヘッドに絡む前に」はこうした書籍がまとめられるには80年代再評価の中でも意外に時間がかかったのではと思う一方、ちょうど今読むほうが凄く興味深い点が多いですね。というのも、これが意外に現在のNetflixオリジナルアニメ、またはとある音楽ジャンルに繋がる部分が多数見られるからです。 Netflixオリジナルアニメ第一陣はたぶん、80年代OVAのおしゃれリバイバル ぼく個人はここのところIGN JAPAN様にNetflixオリジナルアニメをいくつかレビューを寄稿させていただいたのですが、基本的にはオーソドックスな劇場版長編を評するようなスタ
『ウマ娘 プリティーダービー』視聴8分 「ストーリー不要」や「ストーリーは死んだ」話がやけに注目をあつめてますが、ストーリーを完全に不要として成立させることは意外にどこもやりきれていないのではないでしょうか。なに?キャラクター消費?そんな簡単にみんな消費してくれねえよ!流行にならねえよ!膨大な死屍累々があるって!「けいおん」「ラブライブ」みたいのって、あれはものすごく技術も戦略も総動員して当時のデザインと差別化図って今日のヒットになってるんですから。 むしろ、技術が足りないからこそストーリーというものに引きずられるのは確かですね。キャラクター消費で行きたいのに、つまらない便宜的なストーリーを切り切れず、逆に観客を萎えさせるというのがどれだけあったか。 もともとソシャゲの「ウマ娘」とか見てくださいよ。ソシャゲ自体も意外なくらいストーリー性を感じさせるシナリオが用意されていたり、そんなソシャゲ
次のページ
このページを最初にブックマークしてみませんか?
『17.5歳のセックスか戦争を知ったガキのモード』の新着エントリーを見る
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く