明田川荘之は立教大学経済学部に在学中から渋谷の「オスカー」、新宿の「ピットイン」などでプレイをはじめている。 大学卒業の翌年1974年2月、ミュージシャンとして働くのには足場が必要と感じ、母から資金を借りて西荻窪にライヴハウス「アケタの店」を開店した。キャパシティは30人ぐらいだが、浅川マキと共演したときなどは1カ月のロングランで3,000人もの入場者があり、ジャズに拘泥せずロックなどにも門戸を解放したり、自分でも月2回前後出演している。 経営手腕もなかなかのもので、母君からの借金は綺麗に返済したという。 ■油井正一(ゆいしょういち) 大正7年8月15日生まれ。戦前よりジャズ評論を手がけるかたわら、ジャズ番組のDJ、司会等々多方面に渡り活躍。著書、編書には「ジャズの歴史物語」(スイングジャーナル社)、「ディキシーランド・ジャズ入門」(荒地出版社)、「ジャズの歴史」(東京創元社)、「モダン・