舌にある甘みを感じる細胞(甘味受容体)が、膵臓(すいぞう)にもあることを、群馬大生体調節研究所の小島至教授と中川祐子助教の研究グループが突き止め、7日(日本時間8日)、米国の科学誌プロスワンに発表した。糖尿病治療に役立つ可能性があるという。 膵臓にはβ細胞と呼ばれる細胞があり、糖を分解し、インスリンを分泌して体内の血糖値を調節することが分かっている。甘味受容体が膵臓にあることは、かつて一部の学者が唱えていたが、小島教授らは08年に研究を始め、マウスのβ細胞に甘味受容体と同じ塩基配列の遺伝子があることを発見した。 舌の甘味受容体は甘みを感じる機能しかない。だがβ細胞にはインスリンを分泌する働きがあるため、受容体への刺激が分泌を促している可能性が高いと結論づけた。 糖尿病になるとβ細胞は糖を分解せず、インスリンを分泌しにくくなる。膵臓にも大きな負担がかかる。このため食事療法で糖を制限する