富士市に本社を置く岳南鉄道(岳鉄)は23日までに、4月に鉄道事業を分割し、子会社「岳南電車」を設立する方針を固めた。黒字の不動産、物品販売と、経営難の鉄道事業を切り離すことで、意思決定の迅速化と財務状況の透明性を高め、経営改善を進める。関係者への取材で分かった。 関係者によると、岳南電車の資本金は1億円で、代表者は未定。普通株式千株を発行し、親会社となる岳鉄にすべて割り当てる。岳鉄の鉄道部門の従業員は現在24人で、全員新会社に移籍する。筆頭株主の富士急行からの出向人事も継続の予定。運行ダイヤや運賃は現状を維持する。本社の所在地は変更しない。 岳鉄の鉄道事業は、2012年3月に収入の柱だった貨物輸送が終了し、運行継続が困難とされていた。このため、富士市から14年度末まで、年間6500万円の補助金を受けることになっていた。 同社の有価証券報告書によると、12年3月期の連結売上高は5億8千