7月17日、みずほ銀行のチーフマーケット・エコノミスト、唐鎌大輔氏は、 新興国市場の混乱が起きた後は先進国、特に正常化プロセスの震源地である米国に影響が及ぶ段階が懸念されると指摘。写真中央は米100ドル札、背景にトルコリラ紙幣。トルコのイスタンブールで2014年1月撮影(2018年 ロイター/Murad Sezer) [東京 17日] - 貿易戦争への懸念が高まっている状況にもかかわらず、金融市場は極めて楽観的なムードに包まれている。しかし、どこか危うさを感じるのは筆者だけではないだろう。 貿易戦争を巡る不安は脇に置いたとしても米連邦準備理事会(FRB)が金融環境を引き締めている以上、国際経済・金融情勢については「相対的にリスクの高いエリア」から資金が抜けていくと考えるのが自然である。世界の資本コストを規定するフェデラルファンド(FF)金利がもはや低金利と呼ぶには難しい2%台に入ってきてい