<イギリスでは、「政治」が決定した政策が発表される時には必ず「科学」の詳細なデータと分析も示される。日本ではどうだったか> [ロンドン発]「泥棒を見て縄を綯(な)う」という。日本のコロナ対策を見ていると「泥縄式」という言葉が浮かぶ。それよりひどいかもしれない。医療崩壊の瀬戸際なのに確保してあるはずのコロナ病床が使えない。軽症者にもドナルド・トランプ前米大統領が使った高額な抗体カクテル療法を施すという。コロナ危機でどれだけ政府債務を積み上げるのか。 政府コロナ対策分科会の尾身茂会長は8月25日の衆院厚生労働委員会で「五輪がどういうメッセージを出して、人々の意識に影響するかというのが大事だと再三申し上げてきた」と述べ、パラリンピック開催に合わせ再来日した国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長についても「なぜわざわざ来るのか」と苦言を呈した。 「(政府は)私ども専門家の分析より時