ニューヨーク市に今、南米から大勢の移民が押し寄せ市内で話題になっている。バイデン政権は国境警備強化や不法移民送還の強い姿勢を貫くとしながらも、月3万人を受け入れる方針を示した。背景にあるのが製造業を中心に米国で深刻化する「人手不足」の問題だ。移民の受け入れだけで問題は解決するのか。その実情を2回にわたってお届けする。 新型コロナウイルスの流行が一段落し、観光客が戻ってきたニューヨーク市に今、新たな問題が浮上している。ベネズエラやニカラグア、ハイチなどからの移民が大勢、押し寄せ、市の財政を圧迫しているのだ。その数、4万人以上。住む場所や飲食の提供といった人道的支援に市は、総額10億ドル(約1300億円)を要すると試算している。