ESG(環境・社会・企業統治)債券市場の周辺部にある「ブルーボンド」について、一部の業界専門家は警鐘を鳴らしている。主な懸念はブルーボンドが債務救済プログラムで利用される際の市場慣行。ブルーボンドは規制がないもののファイナンスの手段として伸びている。 概念的にグリーンボンドと類似するブルーボンドは、資金を海洋保全に振り向けることが想定される。これまでで最大規模の案件は中米ベリーズの事例。自然保護団体ザ・ネイチャー・コンサーバンシー(TNC)が2021年後半に設定したものだ。財政難の新興国が自然保護の約束と引き換えに債務を免除してもらう「自然保護債務スワップ」に絡み、クレディ・スイス・グループがブルーボンドを発行した。 だが、バークレイズのアナリストらは最近の精査で、こうした取引に環境配慮を装う「グリーンウォッシュの真のリスク」があるとの結論に至った。 ロンドン在勤のESG債券市場調査責任者