■消費増税こそギリシャ化招く 「社会保障と税の一体改革」関連法案の衆院特別委員会が設置され、消費増税の国会審議が連休明けから始まる。増税実現に奔走する財務官僚が描くシナリオに民主、自民両党が乗ったわけだが、責任ある政治家なら肝心な論点を思い起こしてほしい。多くのメディアが念仏のように唱える「消費増税で経済も生活も良くなる」とは本当にそうなのか、である。政府債務が原因? 増税派の論拠は大きく分けて4点ある。消費増税で(1)景気がよくなる(2)社会保障財源が確保できる(3)財政均衡が実現できる(4)日本のギリシャ化は免れる-。いずれも、財務省寄りの経済学者・エコノミストやメディアを通じて繰り返し流され、野田佳彦首相や多くの与野党議員の頭の中に刷り込まれてきた。 野田首相は「消費税を引き上げることで社会保障の将来像に不安がなくなる。消費が喚起され、経済が活性化される可能性もある」と3月29日の参