1880年に鉄鋼王の御曹司として生まれたイーベン・バイヤーズは、スポーツに秀でた華麗なプレーボーイでした。とくにゴルフの腕前は超一流で、1906年には全米アマで優勝したほどでした。映画「ボビー・ジョーンズ ~球聖とよばれた男 ~」には、14歳のボビー・ジョーンズにマッチプレーで敗れる役として登場しています。 やがてバイヤーズは製鉄会社の会長におさまり、未曾有の好景気に沸いた「狂乱の1920年代」を優雅に過ごしていました。しかし1927年にチャーター列車の寝台から落ちて腕を打撲し、それ以来腕の痛みに悩まされるようになりました。医者はバイヤーズにある薬をすすめました。「Radithor(レディトー)」です。 レディトーというのは蒸留水にラジウムとトリウムを混ぜた放射能水です。濃度は1本あたり7万4000ベクレルでした。先日、福島第1原発の港で採取した魚から、今までの最高値である1kgあたり25