韓国・中央日報は、ある米国人アジア専門家の発言をこう報じた。「彼の言葉は米政府内で不確実性、猜疑心(さいぎしん)、憤怒を生じさせ、同盟を害する要因となっている」。もちろん「彼」とは鳩山由紀夫首相ではなく、盧武鉉(ノムヒョン)大統領(当時)だ。2006年8月14日付のインタビュー記事である。 3年後の09年12月15日、鳩山首相は普天間移設先を「改めて選ぶ」とし、決断を先送りした。県民の思い、日米合意、連立与党合意のはざまで迷走を続けた末、優先順位の政治判断を事実上放棄した。恐れていた「チキンゲーム」がついに始まったのだ。 問題の深刻さは既に多くの専門家が指摘しており、ここでは繰り返さない。同盟は既に傷ついている。鳩山政権の誤りを今更指摘したところで、問題が解決するわけではない。こうなった以上、今後生じ得る「害悪」を最小限にとどめる努力を続けるしかない。 多くの米国人は「鳩山首相は日本の盧武