今月半ば、東京都小金井市では、可燃ごみが街にあふれる危機に瀕(ひん)していた。同市に自前の処理施設がなく、周辺自治体に委託していた経費を、今年4月に初当選した佐藤和雄市長が「無駄遣い」と批判。委託先が新規引き受けをせず、ごみは行き場を失った。結局、佐藤市長が辞任し、引き換えに当面は周辺自治体が引き受ける方向だが、自前の処理場建設など根本的解決は宙に浮いたまま。ごみ処理場建設の難しさが改めて浮き彫りになった。(慶田久幸、石塚健司) 小金井市もかつて、隣接する調布、府中両市と共同で3市にまたがる旧二枚橋焼却場というごみ処理場を持っていた。老朽化に伴い、昭和59年に建て替えの基本計画が示されたが、小金井市は周辺住民への配慮から「待った」をかけた。 代替案も周辺住民の反対などで頓挫。結局、焼却炉の延命工事でしのぐしかなくなった。 業を煮やした府中市は近隣3市と多摩川衛生組合に加入、調布市は三鷹市と