9月3日、日銀の木内登英審議委員は午後、青森市で記者会見し、中国発の世界的な金融危機が発生する可能性は少なく、日本の景気や物価が下振れても追加緩和の効果は限定的と指摘した。都内の日銀本店前で4月撮影(2015年 ロイター/Yuya Shino) [青森市 3日 ロイター] - 日銀の木内登英審議委員は3日午後、青森市で記者会見し、国際金融市場の急変は、中国当局の政策対応能力が懸念されているためと指摘した。しかし中国発の世界的な金融危機が発生する可能性は少ないとし、日銀の追加緩和は効果が限定的と強調。 国債買い入れ額を現在の年80兆円(残高ベース)から45兆円に減額する従来提案を続けるのが妥当と言い切った。 木内氏は「中国の金融市場は世界からやや乖離(かいり)している」ほか、「世界的に金融緩和状態が続いている」ことを理由に、「中国発の世界的な金融危機はなかなか起こらない」との見解を示した。
上海株価指数の暴落で始まった世界同時株安は、いったん落ち着きを取り戻したが、これはきっかけに過ぎない。1929年に起こった「暗黒の木曜日」と呼ばれる株価暴落は、その後の大恐慌の引き金だった。 本質的な問題は当時の金余りによる過剰債務であり、株価の暴落した企業の債務不履行で起こった金融システムの崩壊だった。株価は株主が損したら終わりだが、金融機関が破綻すると経済全体が大混乱に陥ることは、2009年以降われわれが経験した通りだ。 金余りの生んだ「シェールバブル」の崩壊 リーマンショックの原因は、FRB(米連邦準備制度理事会)の低金利政策で、サブプライムローンと呼ばれる住宅ジャンク債(格付けの低い債券)が過剰に発行されたことだった。今回の株安で打撃を受けそうな産業として、多くの専門家が指摘しているのは、シェールオイル産業である。 アメリカのシェールオイルの採算分岐点は1バレル60ドル程度といわれ
子会社による親会社株式の取得禁止については、100問の問26等で詳しく論じています。 そこでは、①資本の空洞化、②子会社・関連会社を用いた粉飾決算、③議決権の歪曲化等いろいろな理由で相互保有の危険性を説いていますが、②粉飾決算は「連結決算」によって、③議決権の歪曲化については「相互保有株式の議決権行使の禁止」によって防止するのが筋なので、子会社による親会社株式の取得禁止の最大の趣旨は、①資本の空洞化の防止という点にあるといえるでしょう。 問26で悩んだのが、「子会社が親会社株式を違法に取得したときの効果」をどう考えるのかという点です。 この論点は、現行法でも存在しているのですが ① 違法な自己株式の取得の効果との整合性 ② 135条1項の文言との整合性 ③ 結論の妥当性 ④ 法律構成 等いろいろな問題が絡み合っていて、難問です。 ① 会社法は、分配可能額を超えて有償で自己株式を取得した場合
安倍晋三首相は17日の参院予算委員会で、中小企業支援に関して「経済界に原材料価格の上昇分を転嫁できるよう関係省庁から要請し、ガイドラインを改定する」と述べ、下請けが円安分などを価格転嫁できない状況の打開に向け大企業の協力を求めた。公明党の西田実仁参院幹事長への答弁。沖縄県の米軍普天間基地(宜野湾市)の同県名護市辺野古への移設に向けた作業に関し「海上のボーリング(掘削)調査などで環
以下のような主張は、しばしば耳にするし、一聞するだけだともっともらしく聞こえる。先日のピケティ・シンポジウムの際にも、パネリストして参加されていた西村康稔・内閣府副大臣が同じ趣旨の発言をされていた。 デフレだと実質的にお金の値打ちが上がっていくので、消費を遅らせてお金のままでもっていようとする。これに対して、インフレだとお金の値打ちが下がっていくので、お金のままでもっていると損になるから急いで消費しようとする。 しかし、こうした主張は論理的に妥当すると限らないし、この間の日本経済の実際も、こうした主張に反するものであるように思われる。 インフレの場合であっても、予想されるインフレ率よりも銀行預金の金利の方が高ければ、銀行に預けておけば別に損にならない。したがって、慌てて支出する必要はないといえる。問題は、名目金利と予想されるインフレ率の差である実質金利がどうかである。上記の主張を好意的に解
金融政策が総選挙の大きな争点の1つになっている。以前から政治家が、日本銀行に金融緩和を求める声は強まっていたが、自民党は「大胆な金融緩和策で名目3%以上の経済成長を達成する」としており、安倍総裁は「日銀法改正も視野に」「建設国債を日銀に買わせる」と発言、為替が円安方向に動くなど市場が反応した。一方で、「日本銀行は輪転機を持っている」などと、財政ファイナンスと受け取れる発言をしたことに対して、経済界からも批判や懸念の声が聞かれた。金融政策の効果と副作用、財政ファイナンスの問題点などについて慶應義塾大学の池尾和人教授に聞いた。 ――金融政策が総選挙の争点に浮上しています。デフレを脱却するためには、ゼロ金利政策に加えて、一層の量的緩和が必要であるという主張、さらには日銀に対して財政ファイナンスを求める声まで出ています。 「日本銀行が国債を買う」というところだけを見て、量的緩和政策も財政ファイナン
ニューヨーク・タイムズが "keenly awaited"(強い関心と共に待たれていた)と表現していた安倍首相の「戦後70年談話」ですが、私は「上出来」だと思いました。何よりもこの談話に期待されていた内容、つまり「4月の首相訪米以来の日米の良好なムードに水を差さない」、「9月以降の日米による中国との関係改善外交を妨害しない」、「日韓相互の関係改善模索外交に新たな障害を作らない」という3点がカバーされていたことは評価できます。 談話そのものについては、エコノミストの吉崎達彦氏がブログ『溜池通信』の中で以下のような評価をしていますが、私はこれにほぼ同意します。 「これが閣議決定されたことで、向こう10年くらいは右の側から歴史認識問題で現状に挑戦する人は現われなくなる」 「これで日本国首相の歴史認識は『村山談話(1995年)と安倍談話(2015年)の中間のどこかにある』ということになり、それは『
日本銀行による量的・質的金融緩和(QQE)の導入から、まもなく2年が経過する。この間、銀行預金は高めの伸びを続け、マネーストック(M3)も前年比3%弱を記録してきた(2014年5月「異次元緩和が終われば、民間預金は減少する?」参照)。しかし、日銀が供給してきたマネタリーベースの金額に比べれば、マネーストックの増加額は僅少にとどまる。 マネーストックとは、企業や家計等が保有する通貨の総量をいい、主に(1)現金と(2)預金からなる。マネタリーベースとは、日銀が供給する通貨の量をいい、(1)現金と(2)金融機関が日銀に預ける当座預金からなる。マネーストックをマネタリーベースで除したものが「信用乗数(または貨幣乗数)」である。 金融の伝統的な理解は、マネタリーベースを増やせば、それ以上にマネーストックが増えるというものだった。中央銀行が金融機関に資金を供給すれば、金融機関はこれを原資に貸出を行い、
■金融政策 私の視点 ――浜田さんは内閣官房参与として、安倍晋三首相に経済面で助言をしてきました。安倍政権の経済政策「アベノミクス」第一の矢として実行された、日本銀行による前年比2%上昇の物価目標と、大規模緩和の現状をどう見ますか。 「僕はあくまでも国民生活に一番響くのは雇用だと考える。雇用環境がひっぱくしているという現状がある限り、物価の細かいパーセントに一喜一憂する必要はない。物価目標は消費者物価指数(CPI)そのものではなく、エネルギーと食料品を除いた『コアコアCPI』とするべきだ」 「現在、石油価格がまた下がりそうで、上がっていく公算が小さい。だから、石油価格が現在の2倍だった時に作った目標を墨守すべきとは思わない。コアコアCPIが大体2%に行くように運営すればいい」 ――日銀は2013年4月に大規模な金融緩和を始めましたが、開始後2年を過ぎても「2年程度」の期限を掲げ続けています
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