旧厚生省出身で前内閣府審議官の柴田雅人氏が総選挙投開票前日の8月29日付で厚生労働省所管の社団法人・国民健康保険中央会の理事長に就任したことが分かった。政府は「官僚の天下りを一元化してあっせんする官民人材交流センターを通した人事。就任日も意図的ではない」との立場だが、同センター廃止を求める民主党政権誕生後は同センターによる天下りは不可能になるため、「駆け込み」との見方が出ている。 柴田氏は旧厚生省の保険局企画課長などを歴任。7月に内閣府審議官を退職した後、同府経済社会総合研究所顧問を8月に辞任。同29日に理事長に就いた。理事長職には過去にも同省幹部が就いている。 同中央会は「天下りの定義にもよるが、今回は官民人材交流センターを通している」と説明。河村官房長官も1日の記者会見で「天下りの考え方が民主党と私どもで基本的に違う。(就任日は)ちょうど8月29日で決まった」と語った。