さとう・てつろう氏=1972年、東京都生まれ。東洋大第二文学部印度哲学科卒業。ライター・雑誌編集者などを経て2003年から日本テーラワーダ仏教協会事務局長、編集局長。インターネットを通じた伝道活動、アルボムッレ・スマナサーラ長老の著作編集を担当。著書に『大アジア思想活劇―仏教が結んだ、もうひとつの近代史』『日本「再仏教化」宣言!』がある。 このほど、拙著『大アジア思想活劇―仏教が結んだ、もうひとつの近代史』(2008年、サンガ)を電子書籍化しました。同書は明治維新に伴う廃仏毀釈で大きな打撃を受けた仏教界が復興を模索する過程で、それまで「小乗仏教」と観念的に軽侮してきた南伝上座仏教(テーラワーダ仏教)を奉じるスリランカの仏教復興運動と邂逅した歴史の細い糸をたどったものです。電書版の編集過程で、改めて近代史における仏教国際交流の意義について考えさせられました。以下、いくつかのキーワードに沿って