組織経営の古典的著作を読む (Ⅱ) ~ハーバート・A・サイモン『経営行動』~ 財政金融委員会調査室 小野伸一 http://www.sangiin.go.jp/japanese/annai/chousa/keizai_prism/backnumber/h25pdf/201311502.pdf (1) 事実と価値の区別、 科学としての意思決定論の確立 サイモンによれば、意思決定には、 事実的な要素と、価値的な要素(倫理的、べき論的な要素) が含まれる。 また、 意思決定にはその前提(プレミス) があるが、 この前提にも事実的なものと価値的・倫理的なものがあり、 例えば目標(ゴール)は、サイモンによれば、意思決定に対するインプットとして提供される価値前提である (図表1)。 筆者なりに例を挙げれば、 ある事象が将来的に必ず起こるとは断言できない (将来的に地震予知が可能となるとは断言できない、