――アリアハン 謁見の間 魔法使い「お呼びでしょうか」 王「うむ、呼び立ててすまぬな。早速だが、お主に頼みがある。オルテガの娘の話は聞いておるな?」 魔法使い「はい、父オルテガ殿に負けず劣らずの豪傑であるとか。確か、来年には16になり、旅立ち予定である、と聞いております」 王「さよう。そしてわしは、そなたに勇者の供をしてもらいたい、と思っておる。どうじゃ、出来るか?」 魔法使い「…それがご命令であるならば。しかし、彼女の旅立ちは一年後…」 王「そうじゃ、そこでじゃよ、お主には勇者より先に旅立ってもらいたいのじゃ」 魔法使い「!?と、言いますと?」 王「なに、そう難しい話ではない。これから勇者が旅立つまでの一年間で腕を磨き、見聞を広げて来て欲しい、それだけの話じゃよ」 魔法使い「つまり、今の私の実力では力不足、と」