私がデザインという言葉が多く飛び交う世界に携わるようになって10年近くたつのですが、 昔母校の先生が言ってくださった言葉は未だによく思い出します。 デザインという言葉の深さも広さも今より遥かにわかっておらず、 見てくれ重視でカッコイイものを作れてナンボ、と思って短絡的に課題をこなしていましたが、 何も世の中をわかっていなかった私たちに先生が話してくださったことは「デザイナーとアーティストは違う」ということでした。 アーティストは自分を表現してそれを評価して買ってくれる人が居れば成り立つものだが、デザイナーはお金を貰ってお客さんのためにつくるのだ、と。つまり相手の要望ありきで動くのがデザイナーということでした。今聞けば当然と思えるのですが、雰囲気でしかわかっていなかったその頃の私には目から鱗で、とてもすっきり心に落ちた言葉でした。 言葉で要望と言うのは簡単ですが、相手が何を求めているのかを知