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買ってよかったもの
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職場では走ることは黙っていた。 特段、理由があったわけではないが、なぜかしゃべりたくなかった。形だけ言えば、単に市が主催するマラソン大会に出るだけのことで、他人にしてみればどうということもない。凄いなとか頑張ってとか何かしら言葉はもらえるだろうが、単にそれだけのことでしかない。 でも俺にとってこのマラソンはそんな軽いものじゃなかった。いわば、自分が生まれ変わるための儀式であり、自分の人生をかけた挑戦だった。そんなこと誰にも理解できないだろうし、理解してもらいたくもなかった。 マラソンに出ると決めてから、芙紗子とは話をしなかった。もちろん、仕事の話はするが、それだけ。以前のように食事に誘ったり、仕事の合間に軽口を叩くこともなくなっていた。仕事が終われば、お疲れさまでしたと一言、誰につぶやくでもなく言って、そのまま席を立ち、職場を後にした。そんな俺の変化を彼女もなんとなく感じたのだろう。たまに
翌日、俺はマラソン大会に申し込んでいた。走り切れるかとかそういうことはあまり考えかった。ただ何かを変えたかった。このまま何もしないでいたら、俺の人生は本当に蟻地獄にはまった蟻のように、ある一点に向かって落ちていくだけだと思った。それが絶えられなかった。 仕事帰りにスポーツ店に立ち寄り、新しいランニングシューズを買った俺は、家に帰るとすぐに走り始めた。新しいシューズに紐を通して履いてみたら無性に走りたくなったってのもあったが、いくら俺だって、ほとんど走ったこともない奴がいきなりフルマラソン走るってのが無茶だってことぐらいはわかっていた。マラソン大会まであと三か月しかない。その間にしっかりトレーニングしなきゃ、到底走り切れないだろう。やるからには走り切らないと意味がない。完走もできないようなら、わざわざ走る意味なんてない。 だから走った。雨の日も、風の日も、残業で遅くなっても毎日欠かすことなく
俺の机の隣に上村芙紗子っていう三十ちょい過ぎの女性事務員がいた。半年前に入ってきた子で、バツイチだけど結構かわいい子だった。彼女が入ってきたときだけは俺もかなりテンションがあがった。ある日、事務室に誰もいない隙を見計らって、勇気を出して食事に誘ったら、彼女は少し考える風だったが、すぐにいいですよってOKしてくれた。その時は本当に夢でも見ているようだった。 そのあと、一緒にしゃれたレストランにいった。彼女の気に入るような話題をふって、それなりに会話も弾んだ。そんなに悪い雰囲気でもなく、いい感じだと思った。その後、何度か仕事帰りに居酒屋にいったり、お好み焼き食べに行ったりして、彼女との距離を縮めた。徐々に手応えみたいなものを感じていたので、何度目かの食事のときに覚悟を決めて、今度の休みに二人でどこかにいかないかって誘った。 でも、あっさりと断られた。食事はいいけど、そういうのはちょっとという返
以前、自分自身の訓練のために、このブログを毎日更新しているんだと書いたが、実は書き溜めたものをちょこっと手直しして投稿していることも多い。 当然、創作の方も書けない日もあるのだが、そういう日があってもいいと思っている。 カクヨムで物語を書いていたころは、やはり義務感みたいなものがあって、何らかの作品をほぼ毎日更新していた。 それは書くモチベーションにもなったが、相当なプレッシャーでもあった。いつもいつも筆が進むわけでもなく、体調や精神状態によっては、さっぱり筆が進まないこともざらにあった。 そういう時に投稿した文章は、後で見直すと誤字脱字の嵐で、表現もイマイチなものが多く、結局修正するはめになることが多かった。 だから、僕の作品をすぐに読んでくれた方というのは、一番のラフを読んでいることになり、大変申し訳ないと思ったものだ。 やっぱり気持ちに余裕がないと、いい物語もかけないような気がする。
はじめに 本編 読者さまからいただいたコメント あとがき はじめに この短編はかつてカクヨムという小説投稿サイトで活動していた時に書いた、ちょっとエロくてバカバカしい短編ですが、思いのほか好評だったようで、たくさんの方から笑えたと仰っていただきました。 ほんとバカバカしい話で恐縮ですが、暇つぶしと思ってご笑納ください。 本編 鬼が、俺の目を隠すために手拭いを頭に巻きつけて、きつく縛った。 これで俺の目は完全にふさがれた。 もう、やるしかない。俺は覚悟を決めた。 「さあ、さっさと始めろ!」俺は目の前の閻魔大王に向かって叫んだ。 「――では、始めるとしよう。ここに今までお前がつきあった女が5人並んでいる。お前は目隠しの状態で一人づつ、口づけをしろ。もしお前が見事、妻の唇を言い当てたなら、お前の妻の寿命を延ばして、現世に返してやろう。だが失敗したら、お前の寿命は妻もろともここで尽きる」閻魔大王の
小説を読むことは子どもの頃から好きでしたが、小説を書き始めたのはいい大人になってからなので、書き始めた頃は作品一つ書き上げるのにも大変な時間がかかったものでした。 その後、カクヨムという小説投稿サイトで活動するうちに、ようやく小説を書くことや自分の書いたものの客観的なレベルみたいなものが分かりかけてきました。 アマチュア作家に過ぎない僕ですが、面白い物語を書きたいという気持ちは、プロの作家さんにも負けないんじゃないかと思います。 まだまだストックはありますが、ゆっくり、のんびり、マイペースで公開していきたいと思います。 ヒューマンドラマ 『カクヨムの天使』 キャッチコピー 紹介文 文字数 本編はこちらから コメディ 『妻の唇はいったいどれだ!』 キャッチコピー 紹介文 文字数 本編はこちらから 『文学におけるエロ表現の追求』 キャッチコピー 紹介文 文字数 本編はこちらから ヒューマンドラ
翌朝、私の期待は見事に裏切られた。近況ノートには何のリアクションもなかった。 その日は仕事どころではなかった。私は頻繁にスマホをいじってはリアクションの有無を確かめた。 相手だって仕事があるんだ、すぐに返事を出せる余裕がないのかもしれない。そんな風に自分に言い聞かせた。でも、そう思った数分後には再び机の脇においたスマホの画面を触っていた。 その一週間は私にとって残酷なくらい長くて、辛い一週間だった。私はほとんど仕事が手につかず、ひたすらスマホをチェックするだけの日々を過ごしていた。 私はもはや、ただ待つことに耐えられなくなっていた。金曜日の夜、私は家に帰るとバッグを放り投げて、そのままパソコンの前に座り、新しい小説を書き始めた。 短編ならすぐに書ける。今日中に仕上げれば明日には投稿できる。そうしたらカクヨムの天使が見てくれるかもしれない。それだけが私の心を占めていた。 私は徹夜で書き上げた
「私はカクヨムという小説投稿サイトで、時折、小説やエッセイを投稿しているアマチュア作家。将来の夢は作家なんていうほど、自分の才能を過信しているわけではないけど、やっぱり自分が書いた作品は誰かに読んでもらいから、このサイトで活動している。 カクヨムに加入してから1年がたち、これまで書いたものは恋愛ものや少しファンタジー調の短編が6本ほど。少しづつフォロアーも増えて、今では投稿すれば★を20から30くらいはつけてくれるし、必ず一つや二つはレビューも貰えるようになっていた。 毎日投稿するわけでもなく、仕事と折り合いをつけながら、週末に書きだめして投稿するのが毎週の日課だった。気が乗らないときは昔の作品に貰ったレビューを何度も見返したり、レビューを書いてくれた人の作品を見て、少し甘目に★★★をつけたり、新人作家の作品を読んで、妙な安心感に浸ったりしていた。 仕事は小さい建設会社の事務員で、そんなに
日本という国は素晴らしい文化、歴史、精神性を持っている国だと思います。海外に行って、外から日本を見るとそのことが本当によく分かります。だが残念なことに最近どんどん日本の良いところが失われているように感じます。 経済大国日本、平和で豊かな日本。 確かに外面だけみたら、そうなのかもしれない。だけど一枚皮を剥いだら、そこにあるのは薄汚く、利己的で、欺瞞に満ちた日本の社会。こんなんで本当に良いんですか? 僕は日本が好きだし、 日本に生まれてよかったと思うし、この日本という素晴らしい国をしっかり自分の子供たちの世代につないでいきたい。 だから、社会に対して好き放題言わせてもらいます。やっぱり今の社会はおかしいってことを。ということで、お読みになる方によっては、そりゃ違うだろと思う方もいるかもしれませんが、あくまでも僕個人の心の叫びだということで、ご容赦願います。 僕の中に棲む鬼 僕が書く理由 その一
カクヨムでは、たまに星(★)が減ることがあるんですよね。 あっ、星(★)つけてくれた! やったぜ~! ……えっ、なんで、星(★)の合計が減ってんの? いろいろ調べてみると、原因は二つあるようです。 1 ★をつけてくれた人がいたとして、★を減らしたか削除した。 2 ★をつけてくれた人が、カクヨムをやめてしまった。 さすがに、1のような経験は僕はありませんが、そんな人もいるんですね~ 二人に何があったんでしょう~ そんじょそこらのホラーよりも怖いです。 ということで、大概は2の原因が多いです。 でも不思議なことに、その人がカクヨムを辞めたとしても、そのタイミングで減るわけじゃなくて、星の数に変動があったときに精算されるんです。 だから、誰かが★をつけてくれた時に再計算され、もしその時点で★を3つくれた人が二人いなくなると、新しく★を3つもらっても、★が3つ減っちゃうってわけです。 いや、ほんと
男に対して、ごく自然にボディタッチをしてくる女性がいます。 男の肩を叩いたり、腕を引っ張ったり、胸を体にあててきたり、物凄い至近距離で顔を覗き込んできたり。 こういうことをする人に対しては、女性の中でも賛否両論あるでしょう。 だが、この攻撃はとてつもなく強力です。 まず大半の男は平常心ではいられません。 例え、男の心に秘めた女性がいたとしても、いつ食えるか分からないキャビアより、牛丼でいいやとばかりに、バクっと食いついてしまいます。 ところが、いざ食いつこうとすると、するりと逃げられる。 えっ、俺に気があるんじゃなかったの! と男は夜な夜な煩悶することになります。 女性の身を案じるので、声を大にして言いたい。 男心を弄ぶのはやめてください! ほどほどにしないと、ストーカーになったり、いきなり襲い掛かられたりしますよ。 ただ、このテクニック。 使い方を間違えると、男の気持ちが離れる場合がある
以前、恋愛ジャンルに対する男と女の考え方の違いについて書いたことがあったが、書き手という立場で考えても、どうにも恋愛作品を書くのが難しい。 bunchiku.com なぜかというと、恋愛小説を書く上でどうしても必要と思われる嫉妬という感情を僕はあまりリアルに想像できないからだ。 そもそも、嫉妬という感情を僕は持ったことがあるのだろうか? キャプテン翼みたいなサッカー選手になりたいなと思ったことはあったけれど、それは憧憬であって、嫉妬ではない。 クラスにイケメンもいたが、別にそいつになりたいと思ったこともない。 社会で自分より頭のいい奴や、金を持ってるやつもたくさんいるが、別にそいつらに生まれ変わりたいと思ったこともない。 好きな人ができたとしても、その人に彼氏がいると知っただけで、恋愛感情は奇麗さっぱり消え去り、その彼氏とやらをうらやましいと思ったこともないし、どんな奴か知りたいと思ったこ
昨日、毎日書くことの大切さについて触れたが、だからといって、思ったことをつらつら書くのと、物語を書くのはやはり違う。 物語を書くというのは、書きたい場面を多次元的に思い浮かべなければならない。 そこがどういう場所で、どういうシチュエーションで、どういう空気感で、どんな思いでキャラがそこにいるかってことを。 その中で必要と思われることを筆にし、そうじゃないところは読者の想像に任せる。 そこまで、しっかりイメージしながら書かなきゃいけない。 よくできた物語は、読み手はその世界観にどっぷり浸ることができる。 書き手の頭の中で作られた世界で思いっきり遊ぶことができる。 僕は面白い物語はすべからくそういう要素があると思う。 だが、はっきりいって、これはかなり頭を使う作業だと思う。 なので思うのだが、たぶん創作する人はボケないんじゃないかと思う。こんなことをずっと繰り返していたら、脳細胞活性化しまくり
最近、毎日このブログを書いているが、よほど暇なんだろと思われるかもしれない。 そう言われればそうなのかもしれないが、それだけの理由ではない。 毎日書くと言うことを自分への課題として捉えているからだ。 毎日書かないと、文章の技術が下がるそうだ。 言葉の取捨、文章のセンス、そういうものを感じる力も弱くなっていく。 本を読んでる人はどうなのという疑問があるかもしれないが、それは英語の学習に似ていると僕は思っている。 いくら、リスニングを頑張っても、スピーキングの練習をしない人は話すことができない。 だから文章を書く人は、やっぱり文章を書かないとその技術が向上しない。 もう一つ、ただ書くだけだったら、昨日したこととか、世の中の出来事を書けばいいが、ここは創作について語る場だ。 だから、少しは創作に関係することを書かないといけないと思っている。 そういうネタを毎日考えて書く。 これって実は結構大変だ
物語を書いている方々は、自分の作品を読み直したりするんですかね。 僕はふと思い立つとつらつらと読んでしまう。しかも、完全に読者視点で。 自分で書いたくせに、うるっときたり、勝手に盛り上がったりする。また過去にいただいたコメント見てほくそ笑んだり、そうなんだよと一人で頷いたりしているのである。 以前も言ったが、自分が作ったキャラに自分が一番はまっているのである。 もう、そのキャラが大好きなのである。 それってどうなんだと思うかもしれないが、実際にそうなんだからしょうがない。 だから僕はいずれ自分の書いた作品は全部書籍にして自分の家の本棚に大事に並べたいと思っているのだ。 もちろん、金に糸目をつけず豪華な装丁のハードカバーにする。 昔と違い、今ではアマチュアだろうがなんだろうが本を作れる。電子書籍なら、金をかけずに売ることさえできる。随分便利な時代になったものだと思う。 まあ、それで食ってくの
娘はアニメーターになりたいそうだ。 僕は、やってみればいいさと答えた。 子どもの頃はたくさん夢があっていい。僕だって、外交官になって世界を旅したり、キャプテン翼のようなサッカー選手になりたかった。 でも実際は、成長するにしたがって、どこかで自分の限界をしったり、別な方向に興味をもったり、外的な影響のためだったりして、その夢は叶うことはなかった。 ところが、今、僕の中には再び夢ができた。 それは、自分の書いた物語を世に出したいという夢だ。 作家を目指すのかと問われればそうではない。こんなことを言うと矛盾するようだが、僕は小説を書くことだけに縛られたくない。自分の性格的に常に新しいことに挑戦してみたいという思いがある。 それに僕は今、それなりの肩書を背負って社会と向き合っているので、そう簡単に仕事を放り投げるわけにはいかない。 だけど、このまま定年まで今の仕事をしたいかと言われると、そうは思っ
「……あの角の男だ」 「博士、怖い!」 「大丈夫だ! 僕がいる……おっと、こっちの角にも男がいて、君を見ている。どうやら、このシマは、君の放つエロフェロモンの影響で彼らの正常値エロをはるかに超えてしまったようだ。ここにいるのは危険なようだ。さっさと出よう!」 「はい!」 「――ふう。やはり、君の存在は物凄い化学反応を起こしたね。彼らはもはやエロビデオを選ぶどころじゃないよ。どの女優の顔を見ても君の顔を想像するだろう。この後、部屋にこもってビデオを見たとしても、もはやストーリーなどそっちのけで、君の姿態を思い出し、君を想って、放出することになるね」 「そんな! 博士、気持ち悪いです!」 「しょうがないよ。女性はすべからく、男からそう言う目で見られているのだからね。そして女性もある意味、必ずしもそういうことを望んでいないにせよ、男の視線を集めようとして、身を飾るわけだからね。だがこれは生物にと
カクヨムで出会った仲間との交流を題材にした特集もこれで最後になります。最後は、この方のコメントです。 「昨日の作品も読み応えあり、勉強になりました。母親は幼い私を膝に入れ、本をたくさん読んでくれました。学校で賞を貰うとすごく喜んでくれ、褒めてくれました。今、創作が好きなのも母親の影響だなと思います。難しい評価はいらないんです。たった一人でも笑ってくれたら幸せです。今は娘が笑ってくれます(*´∇`*)」(Hさん) 創作するのに小難しい理由なんていらないんです。 ある時、ふと何か書きたくなる。 それでいいんです。 それが当たり前であり、長続きの理由なんだと思います。 僕も最初そんな感じで書き始めました。 公募に送ろうだとか、誰かに見てもらおうとか、そんなことは全く思わなかった。 ただ、こんなの書いたら面白いだろうなと思って書き始めた。 今だって、楽しいから書いている。 確かに苦しい時もある。で
今日は、この方のコメントです。 「久々にこちらを読みにきました。というのも九月末の公募賞に出す長編を書くので手一杯で、三週間ほどすべての交流を自主断絶していたからです。おかげさまで期日内に投稿完了できました。今回初めてカクヨム系列の投稿サイトに投稿したのですが、カクヨム系列の方がエブリスタよりpvが気になる構造でした。私は(自主卒業しましたが)すこしまえまで一年間、はてなブログをやっていたのですが、カクヨムさんははてな系列なんですね。たしかに、はてなとカクヨム系列はなんか書き手側にかかる圧が似てる。でもおっしゃるとおり、読んでもらう数を増やすことや露出に力入れてる時間があるなら公募に比重をかけたほうがいいなと思います。今はエブリスタで短編のコンテスト作品を上げています。とにかく書き続けていくのが一番ですね」(Yさん) Yさんから初めてコメントを頂いた時、ああ、やっぱり、公募を目指して頑張っ
今日は、この方のコメントです。 「力が正義という時代。家柄や血筋が通用しない時代。暴力渦巻く時代に弱き人たちが団結して知恵と勇気で乗り切るのが好きです。好きな時代を探してみたら、なるほど! 自分が何を書きたいのか、というのが明確になりました。ありがとうございました」(Hさん) 前に「書きたい時代」というテーマについて私見を述べましたが、結構、共感いただいた方が多かったです。 bunchiku.com 毎度毎度言ってますが、自分は何を書きたいのかという問い、それを突き詰める際に自分が関心ある時代を探っていくというのは一つの手法なんだと思います。 自分が好きな時代が分かれば、書きたいものの輪郭が浮き上がってくる。 中世の宮廷文化が好きなら、貴族たちの甘い恋愛物語なのか。 戦国乱世が好きなら、英雄たちの興亡のドラマか。 江戸時代なら、庶民の人情ものか。 でも普通であれば、僕たちはこの時代に生きて
今日は、この方のコメントです。 「風景描写は大事ですよね。自分の場合は異世界物を読むのも好きで、書いている訳ですが…… 「異世界ものに余計な風景描写はいらない。そこはよくある中世ヨーロッパ風のまちだったとでも書いとけばいい」 と言うのが、ちょっと違うだろって思いました。勿論、そういう中世ヨーロッパ風の街は異世界につき物です。でも、異世界であっても風景描写は大事だと思う。だって、異世界のいいところって、全てが空想で出来てるんですよ? もっとも神秘的な世界を創れるのが異世界じゃないかと思うんですけどね……まぁ、そう言う私も文章力にあまり自信ないので、偉そうな事は言えないのですが… だからと言って異世界だから風景描写をしないと言うのは、すごくその作品の世界観で損をしてると思う。出すぎた意見かもしれないですが……」(Nさん) この創作論(?)のかなり始めの頃に書いた風景描写の必要性。 実は今、それ
今日は、この方のコメントです。 「カタルシスのある作品って本当に気持ちが良いですよね。ハッピーエンドでもハッピーではないエンドでも、何かしらの答えを見つけ出したり、心に残るものがあると浄化された気持ちになります。そういうのが感動なのかな~と思いつつ書いていると、悩む事も多いけど達成感も大きいです。書いてる側にとっては、執筆自体がカタルシスなのかなと思いました」(Hさん) 僕もカタルシスがある作品が好きなんですよね。ところで、カタルシスって正確にはどういう意味だろう。ちょっとググってみます。 文学作品などの鑑賞において、そこに展開される世界への感情移入が行われることで、日常生活の中で抑圧されていた感情が解放され、快感がもたらされること。特に悲劇のもたらす効果としてアリストテレスが説いた。浄化。 引用:コトバンク 感情移入による、感情の解放か。 なるほど、確かにそういうものでしょうね。 吉川英
今日はこの方のコメントです。 「長編は熱意が続かないので書けません!! でも長いからこそ、キャラやイベントにも深みが出てくるんだろうなと思うと、憧れはあります。みなさんモチベーション維持はどうしてるんでしょうか。大まかなプロットとかオチを作った上で肉付けをするのか、筆の勢いに任せて進めていくのか」(Kさん) Kさんのようなコメントは結構たくさん頂いた気がします。 このコメントのとおり、熱意が続かないと長編って書けないんですよ。 まあ、大抵エタるような気がします。 技術的なところは、以前やった「長編の書き方」特集で書いたので僕の考えはそちらを見ていただければと思いますが、やっぱり一番はモチベーションなんですよね。 bunchiku.com 僕の経験からすると、最初と二つ目の長編は相当苦労しました。 明日から、来週から、来月からと自分に言い訳して、結局、数か月も放り投げていたことがありました。
カクヨムの一大イベントであるカクヨムコンテストについて書いていきたいと思う。 まず、事実から検証する。 第5回カクヨムコンテスト長編部門には4,724作品がエントリーし、412作品が中間選考を突破、そして、20作品が大賞・特別賞に選ばれた。 短編部門は5,505作品がエントリーし、558作品が中間選考を突破、1作品が受賞。 まずこの事実から、賞を取るのは限りなく難しいということが言える。 特に短編賞は、ほとんど信じがたいほどの倍率だ。 ただ、今、振り返ってみると、あの当時は、コロナの猛威が全国を覆い、しかも先がみえない不安というものが経済活動にも影響を及ぼしていた時期だった。 そう言う意味において、第5回の受賞作がそれまでより少ない、そして受賞した作品がおおむね星(★)の数が多い作品だったのは、出版社としても冒険を犯せない、なるべくリスクを減らしたいという苦渋の選択だったのではないかと思っ
すらすら書けるジャンルとなかなか筆が進まないジャンルがある。 例をあげると、現在書いている、近未来の地球を舞台にしたSFミステリー「神の遺伝子」は書くのが非常に難しい。 なぜ難しいかというと、SFのS、つまりサイエンスという意味において、ある程度科学的な事実に即した物語にしなければならないだろうという思い込みがあり、こういうことがあり得るだろうかとイチイチ確かめないと進めないからだ。 加えて、ミステリーというのはやっぱり伏線なり、プロットの重要性が増すので、全体の構成を考えつつ、どこで手の内を明かしていくかということをしっかり考えないと物語が破綻するからだ。 かつて書いた、「ツァラトゥストラはかく語りき」という長編社会派ミステリーも完結させるのに、だいぶ時間がかかったことを思い出す。 かといって、ミステリーが嫌いと言うわけではない。 本で読むならミステリーが一番好きだ。 のめり込むと、無我
恋愛モノは人気ジャンルの一つでもあり、好きな人もたくさんいるだろう。 僕的にはほとんど読んだことがないジャンルなので、それをどうこういうのも少し憚られるのだが、自分なりに思うところもあるので、今日はそれについて少し書いてみたい。 まずそもそもなのだが、恋愛というのは、どんなジャンルであれ、というか人間がいる以上、必ずついて回るものだということである。 ファンタジーだろうが、ミステリーだろうが、SFだろうが、たいてい恋愛要素があり、それがキャラの個性を強め、物語をさらに面白くしていることが多い。 そう言う意味では恋愛ジャンルじゃなくとも、物語の中に恋愛要素を組み込んでいる人は相当いると思う。僕自身、物語の主だったキャラの中には必ず男女を入れるようにしている。それが恋愛に発展するかどうかは分からないが、常にそういう可能性を感じさせておきたいという意図があるからだ。 だが、実は恋愛というのはある
昨日、Mさんから、興味深い提案をいただきました。 「…… 『作者にお金を払わせて作品をアピールするシステム』を造れば良いと想うんですがねぇ。 カクヨム的にも「美味しい」ですし、真剣に書いてるかいい加減に書いてるかである程度、篩にも掛けられます。 ワタシなら自分の作品に一万課金しますがね(≧▽≦) ソレでダメならもっと努力して腕を磨くだけです。」 この、作者がカクヨムに対してお金を払うという仕組みは実は僕も結構ありだと思ってます。 カクヨムを始めたあたりは、広告もなく、しかもこんなに洗練されたサイトで書かせてもらっているんだから、利用料払うべきなんじゃないのって真面目に思いました。 そののち、ロイヤリティプログラムという、書き手に対して報酬を与えるプログラムまで作り、カクヨムさんは本当に書き手に対してなんて優しいサイトなんだと思ったりもしました。 でも…… 皆さん、リワードどんな感じなんです
皆さん、どこまで推敲して投稿しているのか分からないが、僕はカクヨムで書いていた時は結構書いたばっかりの状態でもまあこんなんでいいかと投稿した。 前回までの「長編の書き方」でも書いた通り、物語の途中の段階であまり細かいところを気にかけてもしょうがないかなと思うからだし、これも前に言ったが、考えて時間を止めるよりも勢いのままに書いてとにかく物語自体を前に進めたいと思うからだ。 こんなことを書くと、まるで書きかけの原稿を並べているだけと言ってるようなものだが、実際そんな感じがしないでもない。 ただ、こういう投稿の仕方は読んでもらいたいと思っている書き手の方にとっては、心情的に難しいかなとも思う。 なぜなら、あんまり適当に書けばなんだこれはって、そこで読むのをやめられてしまうし、一度抜けた人は大概二度と戻ってこないからだ。 つまり、カクヨムみたいな小説投稿サイトではPVは常に下降線を辿るということ
最後の一行を書き終えたときの気持ち。 この感動は長編を書いた人しか分からないと思います。 長かった道のり。 何度も挫折しかけ、それでも頑張って書いてきた。 そして今、目の前に自分の作品が誇らしげにある。 長編を書き終えた人は、自分を誇っていいと思います。 それだけのことをやり遂げたと思います。 しばらくは、この思いに浸ってのんびり過ごしていいと思います。 でも、ちょっと待って欲しいんです。 最後のひと仕事をして欲しいんです。 すぐじゃなくていい。 少し間をおいてからでいい。 自分の書いた物語を最初からもう一度読み直してほしいんです。 自分の書いた物語を推敲して欲しいんです。 小説投稿サイトだと、今さら前に書いたものを直してもなって思うかもしれませんが、それでも見直してほしいんです。 その時は一話ごとに読むんじゃなく、ワードか何かに全部くっつけた状態で、できれば縦書きで読んでみて欲しいんです
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