再考 ロシア・フォルマリズム―言語・メディア・知覚 作者: 貝澤哉,中村唯史,野中進出版社/メーカー: せりか書房発売日: 2012/09メディア: 単行本 クリック: 6回この商品を含むブログ (3件) を見るなんかうまく書影が出ないのでリンクを貼り。 ロシアの文学研究の困ったところは、その射程が広すぎること、面白すぎることなのだった。本当の学者でなければ立ちいれないような美と真理への展望を開いてくれるのだが、それと同時に限られた存在である自分の無力さを実感させられる。開いてくれるのは展望だけであり、それを自分が引き受けるためには常に脳内麻薬を垂れ流しながら何十年間も研究を続けてようやく小さな、真理を前にしたらあまりにも小さな功績を残せるだけ。そういう地獄のような祝祭に耐えるには、自分を取り巻く現実や実際的な生活というのはあまりにもくすんでいて鬱病になりかねない。フォルマリストたちが19