柄にもなく「仕事に活かす読書」というタイトルで、連載コラムを書くことになった。 ただ、本コラムでは、「いかにも仕事に活きる」といったようなビジネス書、経営書を取り上げる気はない。 現代のビジネスパーソンや学生がなかなか手に取ろうとしない、あるいは手に取る機会の少ない古典名作を、あえて取り上げようと思う。 でなければ、僕がこのようなタイトルでコラムを書く意味がない。今はあまり光の当たらない人物なり、作品なりに意味を見出し、あえて光を当てるのが僕の仕事だと考えている。 そして何より、古典名作は実際に「仕事に活きる」。 古典名作の行間を読みこみ、自分なりにその作品が持つアイデンティティを考えてみる。 つまりは、その「男」なり「女」なりが、その「時代」になぜ、その「作品」を書かなければならなかったのか──そこを考えてみる。そこには必ずと言っていいほど、現代人に有効な人生観なり、職業観なり