県全体の図書館振興を考える ✐市区町村立図書館と都道府県立図書館は二重行政ではない 市区町村立図書館と比べて、都道府県立図書館の役割は理解されにくい。ときどき、これを市区町村と都道府県の「二重行政」と言う人がいるが、これは明らかな間違いである。間違いというのは、表面だけ見ていて、内容を見ていないからである。 東京都立図書館を除いて、多くの道府県立図書館が直接来館者への貸出しを行っている。とくにここが二重行政と言われる点だが、こういうことを言う人は、実際に図書館をあまり利用していないか、本もあまり読まない人であると思う。実際に利用していれば、市区町村の図書館と都道府県の図書館とで、置いてある図書や雑誌の内容と量が大きく違うことに気づくだろう。年間に日本で、図書は約8万点出版される。これは、コミックは除いた数字である。だいたい単価が2500円とすると、1点1冊全部買うと2億かかるということにな