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大谷翔平
knada.hatenablog.com
大学院(博士後期課程)に合格した。4月から約20年ぶりに大学に通うことになる。 半年前に想像していたのは、3月はやる気に満ち溢れて、研究へのモチベーションも高い状態が続く自分の姿。しかし、現実はまったく違っていた。 得体の知れない何かに、内蔵から手足の先までを、雑巾かペーパータオルのようにきつく絞られているような感覚になっているのだ。 2月の終わりに受けた院試、ペーパー試験はともかく、面接はさんざんな結果だった。 私の専門に近い3人が面接官である。3人から順に質問を受けたのだが、結局のところ、これまでの研究実績の8割を否定されてしまった。 1人目の質問が終わるころには不合格を確信した。 院試を終えて梅田に向かう帰りの電車では、もう研究をやめるしかないな、という思いになっていた。大学院不合格よりも、これまで書いてきた論文のほとんどが評価されていなかった点が堪えた。 それから10日ほどの間、新
科研費は研究機関に所属する「研究者」を対象とする助成ですが、それ以外の人でも応募できる「奨励研究」という種目があります。 教育・研究機関の教職員等であって、他の科学研究費助成事業の応募資格を持たない者が一人で行う教育的・社会的意義を有する研究 奨励研究 | 科学研究費助成事業|日本学術振興会 私のような在野の(自称)研究者でも助成を得ることが可能な制度です。限度額が100万円と、一般的な科研費に比べるとごくごくわずかですが、仕事の合間に行う研究に100万円以上の金額を研究に使うことはかなり困難です。時間的に。 私はほぼ毎年のペースで応募していますが、採択されたのは10年ほど前に一度だけ。1年前の申請(研究計画書)はかなり自信があったのですが、あえなく不採択。 knada.hatenablog.com 例年の締め切りが12月上旬なので、今年こそは、と意気込んで11月下旬から研究計画書の作成に
温泉宿に滞在して論文の原稿を書くと捗るのか? 1泊した結果は次のとおり。 ・思うほどは書けない (2,000字/3時間) ・意外と作業できる時間はない (5時間) ・思考に集中することはできる 四万十川の源流に近い松葉川温泉 以下、しばらく旅行記。 午前中は高知城歴史博物館を見学し、昼食と買い物を済ませて高知市を離れる。 knada.hatenablog.com 高知市から車で1時間ほど高速道路を走って西に向かい、道の駅あぐり窪川で休憩を取る。 目的は豚串。この地域でブランド化された「米豚」を甘辛く味付けして焼いたものだ。網の上で焼く香りに引き寄せられる人は多いはず。1本350円。 豚串でささやかな欲求を満たした後、四万十川沿いの道を上流に向かって進み、川が二股に別れる地点で日野地川という川に切り替えてさらに遡る。あぐり窪川から30分ほどで到着したのは、川沿いにぽつんと建つホテル松葉川温泉
2016年末のエントリで次のように書いてしまったので、今年は地方の小さな展覧会の感想もなるべくアップしていきたいと思います。 大きく派手な展覧会よりも、地域性を重視し、館のサイズに応じた展覧会こそが、全国各地に博物館・美術館が存在することの意義だと思うからです。 knada.hatenablog.com というわけで2017年最初に取り上げるのは、徳島県立博物館で開催していた「古代の彩り」です。大きな展覧会ではありません。 日本列島で古代から用いられてきた「朱」。赤く塗られた弥生土器や、朱の付着した鏡(古墳の内部に敷き詰められた朱が付着したもの)の展示で、古代の朱との関わりを見せてくれます。 朱の原料は辰砂(しんしゃ)やベンガラといった鉱物です。昨年、目黒区美術館で開催された「色の博物誌」でも辰砂やベンガラは色材として並んでいました。今回徳島まで足を運んだのは、「色の博物誌」を観て色材に強
サントリー学芸賞受賞のニュースを見て知った本書。数日後、最も興味を惹かれた本書を購入して読み終えました。専門外の人間でも途中でつまづかずに読み進めることができるのは、著者の文章力のおかげでしょう。 「白拍子」「乱拍子」といった、これまで実態が不鮮明であった点に照射して暗がりを取り去っていく論述は、とても気持ちがよく湧き出てくる好奇心を満たしてくれます。映像記録がない中世や近世の芸能を復元するのに相当な困難が伴うことは想像できますが、この点をまずは文献史料の丹念な検討により明らかにしていきます。 そして後半には地域に伝わる芸能も対象となって論が進みます。筆者が地域の芸能を重視していることは、「あとがき」の最後の文章で表明されています。 最後に、私がここまで研究を続けてこられたのは、さまざまな地域の芸能との出会いがあったからにほかならない。その土地その土地で長らく伝えられてきた芸能には、それぞ
今週のお題「プレゼントしたい本」というか、最近子どもにプレゼントした本です。その本とは、春から結構話題になっている「学校では教えてくれない大切なこと」シリーズの『時間の使い方』。 高学年になった子どもは、帰宅時間も遅くなり、平日に家で過ごす時間は少なくなっています。一緒に住んでいないので細かなことまでは分かりませんが、好きな本もなかなか読めず、宿題をこなすのにも苦労しているように見受けらます。 家での過ごし方について何かアドバイスをしてやりたい、と思っていたところ、以前、書店で手に取って私自信が興味を惹かれた『時間の使い方』を思い出しました。 本書には、「現状での時間の使い方を書き出してみる」「一日のスケジュールを書いてみる」「優先順位の高いものから手をつける」「頭が働く時間帯」といったことがマンガで述べてあります。大人でいうところのライフハック系の内容です。 また、現在の小学生(確か6年
忙しさを言い訳にした自分への戒めとして。 先日、ある本の編集について協力を依頼されました。直感的におもしろそうだとは感じたものの、その時点では本の内容も私に求められる役割も不明瞭だったため、返事を保留していました。 しばらくそのままの状態だったのですが、昨日、本の内容(章立など)について意見を求めるメールを受信。この間の経緯が分からず、また他の仕事で忙しかったのもあって、深く考えず思いつくままの返信をしました。 そしてその夜、「その程度の考えしかないのであれば、あなたは必要ありません」といった趣旨のメールが送られてきたのです。相手とのコミュニケーション不足のところもあるように思いますが、私が熟慮した意見を出さなかったのも事実です。 そして本日、もう1件の出来事が。 この半年ほど一緒に仕事をしている某社。某社の担当者Aさんが作成した資料に、昨晩から手を入れていました。今朝、重要な箇所の修正は
子どもとは同居していませんが、定期的には会っています。 先週、一緒に過ごした日に持っていた小さなスクールバッグ。子どもが小さい頃にどこかでもらってきて、何年も使ってきたものです。最近、汚れも目立ち、生地も薄くなってきたな、と思いながらよく見ると、底の角に結構大きな穴が開いています。 なので、新しいバッグの購入を提案し、一緒にショッピングモール内の店舗をウロウロしながら子どもでも持てる大きさのバッグを探しました。1時間ほど見て回って選んだのが、口にファスナーが付いている小さめのトートバッグです。1620円。濃い茶色と白の細いストライプは、親子ともに納得した柄です。 新しいバッグを手に広い駐車場を歩いて戻った車の中では、早速バッグの中身を移し替えます。小さなものだと穴から落ちてしまうから、と子どもを急かしたのです。 移し終えた子どもが一言。 「古いバッグはどうしたらいいん?」 穴が開いているバ
書店に立ち寄るために早めに仕事を切り上げて、ようやく購入できた『これからのエリック・ホッファーのために』(荒木優太著)。夕食後、読み始めて一気に巻末に達しました。 前回のエントリで購入前の本書への期待を書いたのですが、著者のTwitterでツッコまれてしまいました。安心してください、買いました。読みました。ブログのツイート、ありがとうございます。 途中までフムフムと読み進めていたが、「本自体をまだ入手できていません」のとこで、「読んでないんかーい!」てなった(どうもありがとうございます)。https://t.co/A5wNW5FACA — 荒木優太(本が出たよ) (@arishima_takeo) 2016年3月1日 在野で研究を続ける人間への応援歌 本書は、私のような在野で研究を続ける人間への応援歌とも言える本です。細々と研究を続けることにくじけそうになった時(1週間に一度くらいは後ろ向
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