折坂悠太が歌をうたうと、言葉が踊りだし遠い未来を垣間見せたり、その言葉が生まれた瞬間まで連れ戻してくれる、日本語なのに異国語で歌われているようだ、それなのに頭に浮かぶのはいつも今の世界。僕が生きている今の世界の中を彼の歌は自由に駆け抜ける。生きててよかったと思わず僕もつい口ずさむ 坂口恭平 新しい新譜が届いた。その表現が多種多様になり、背景に流れる音像がより豊かになった。それでも、折坂君のスタンダードとも言うべき歌は、何一つ変わらず多種多様な音の海の中を揺蕩う。より強く、より確かに。折坂君の歌は、実は老境に差し掛かった僕の希望でもある。暗黒の未来への、希望。折坂君と共にいる新たな若き才能たちが、新しい地平を照らす朝日であると信じて疑いません。 ゴンザレス三上(GONTITI)