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アトム・エゴヤン作品(『エキゾチカ』(94)、『スイートヒアアフター』(97))やイザベル・コイシェ『死ぬまでにしたい10のこと』(03)、ヴィム・ヴェンダース『アメリカ、家族のいる風景』(05)への出演、そして自らの監督作品『ア・ウェイ・フロム・ハー 君を想う』(06)、『テイク・ディス・ワルツ』(11)で知られるサラ・ポーリーの、監督としての新作『物語る私たち』は、「またの名をグレイス」(マーガレット・アトウッド/佐藤アヤ子訳/岩波書店)からの一節を朗読するサラ・ポーリーの父マイケルの声と共に始まる。「物語の渦中にいる時はまだ物語の体をなさず、ただの混乱だ。 〜中略〜 竜巻に巻かれた家にいる気分か、氷山に遭遇したか急流に呑まれた船の乗客のように、止める手立てはない。あとになり、やっと物語と呼べるようなになる。自分に、あるいは誰かに語っている時に...」。その間、画面にはポーリー家のノス
ある日、突然、バレー部のスター的生徒”桐島”が部活をやめるという噂が校内を駆け巡る。”桐島”の親友菊池(東出昌大)や恋人である梨紗(山本美月)ですら、その事を知らされておらず、一体”桐島”に何が起きたのか?校内は不穏な雰囲気に包まれる。映画は、その不穏な雰囲気が広がっていく校内の、様々なクラスタ(バレー部、野球部、吹奏楽部、映画部、帰宅部、女子グループ)に分かれる金曜日の放課後という時間帯にフォーカスし、そこで生起する高校生たちの日常を捉えようとする中で、校内に厳然と存在する、生徒たちのヒエラルキーを緻密に炙りだして行く。 しかし、幾つか提示されているクラスタや、クラスでのポジションに自分の高校時代の記憶を重ね、その境遇にリアルに感情移入できるところが面白い、という部分ばかりがこの映画の本質的な魅力であるとは思われない。自分が、その組織(この映画の場合は高校のクラス)の中でどの程度の”序列
まず、奇跡的に美しいポルトガル映画『トラス・オス・モンテス』を想起させる濃い緑が映える映像が目に飛び込んでくる。そして、グリズリー・ベアの手によるものとエンドロールのクレジットで知ることになる、映画全編に渡って優しげに不穏さを醸し出す音楽によって、新たなる感性への扉が開かれる。キャメラはひとつの家族の暖かさと慌ただしさが同居する、どこか不安な予兆に満ちた朝の時間を捉え、いつか夢の中で見たようなフレームの輪郭が曖昧な映像表現で観るもの惹き付ける。 主人公のディーンを演じるライアン・ゴズリングの子どもとの接し方、優しさと遊び心が軽やかに溢れる独特の話し方には同じ男性として嫉妬を覚えるほどだが、その子どもの母親であり、ディーンの妻である女性シンディ(ミシェル・ウイリアムス)にとっては、そんな夫の余裕には苛立ちすら感じているということが、彼女の表情や手元をクローズアップで捉えた硬質なショットから伝
本作において、劇作家・演出家、松田正隆の同名戯曲のセリフを一言一句変えずに映画化することに挑戦した越川道夫監督は、主人公の女を演じる河野知美と夫を演じる梅田誠弘の演技、存在感の素晴らしさも相まって、演劇の一回性を生々しく捉えた、”映画”ならではの見事な呼吸が息づく作品を創り上げた。ここに、間違いなく代表作の一つになるであろう作品『水いらずの星』を撮り上げた、越川道夫監督のインタヴューをお届けする。
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