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acropotamia.hatenablog.com
ラスキン『ゴシックの本質』翻訳の校正作業を主に進める。 イギリス文化史教科書の資料として未入手だったものを、ロンドン在住のSさんに探し出してもらい、ようやく確認することができた。それはマーガレット・サッチャーのよく知られた「社会などというものはない(there is no such thing as society)」の典拠となっている雑誌インタビューの現物。 イギリスの女性雑誌Woman's Own(直訳すると『女性自身』となるのか)の1987年10月31日号に3ページにわたって掲載されたインタビュー記事。インタビュアーはDouglas Keay(ケイと読むのか)で記事のタイトルは「エイズ、教育、そして2000年!(Aids, Education and the Year 2000!)」。 問題のくだりが出てくるところを、その少し前のあたりから訳文を付して引用しておこう。 So, she
ロシア・サッカーの名門ディナモ・モスクワが英国に遠征したのは第二次世界大戦の終結後まもない1945年秋のことだった。UEFA(欧州サッカー連盟)設立の9年前で、英国では海外のクラブとの対戦は親善試合でさえも珍しく、開催された4試合とも満員の大観衆を集めた。対戦相手と結果は(試合順でいうと)チェルシーと3-3のドロー、カーディフ・シティに10-1の大勝、アーセナルに4-3で勝利、グラスゴー・レンジャーズと2-2のドローだった。対戦前の予想ではサッカーの「母国」の名門クラブと共産国の「アマチュア」クラブとでは比較にならないだろうといった、強気というか楽観的な記事が散見されたが、ソ連リーグでこの年優勝を遂げたディナモは、華麗なパスサッカーと流動的なポジションチェンジの戦術を駆使し、一敗もすることなくモスクワに凱旋帰国した。英国サッカー界は面目をつぶした。 それからまもなく、作家のジョージ・オーウ
日本国の現政権の問題を指摘するのにジョージ・オーウェルの名前がしばしば出てくるのは当然のことであろう。じっさい、現政権が憲法違反の安保法制を押し通そうとしている光景は、オーウェルの『動物農場』の世界を彷彿とさせる。考えてみるとこの物語の筋立てというのは、「動物共和国」成立に際して制定した憲法が、特権化した一部の動物の仕組んだテロと欺瞞的な言語使用によってなし崩しにされて(つまり民主的な手続きを経ずに憲法が破壊されることで)独裁国家に変わり果てるというものだ。原作の発表は1945年の8月なので、まさに70年前ということになるが、この70年で日本がこれほど「オーウェル的」状況に突き進んだことはなかったのではないか。そう思うと改めて愕然とする。 しかしいま、「アベ政治を許さない」という大きな運動のうねりがある。この「アベ政治」の一要素として、白を黒と言いくるめて他者をたぶらかすことを狙った不誠実
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