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川島教授は「税金を使わず、研究を発展させられる産学連携の成功例」と話している。マーフィーとネーゲルが「税と正義」(isbn:9784815805482)において批判の対象としているのは,「課税前所得」という考え方である. 今,わたしたちがある所得を得ているのはさまざまな制度,とくに私有財産制を前提としている.私有財産制を機能させるためには法の制定や執行が必要であるが,このためには租税(制度)が必要である.したがって,租税制度を前提とした所得に関して「帳簿上の数字を除けば,私たちが最初から「持っていて」,政府が私たちから公平に取り上げなければならない課税前所得という実体はない」(40ページ). この立場からすれば,あれこれの負担の公平性を問うことも,それが「課税前所得」を議論(計算)の出発点にしている限りにおいて,焦点を誤っていることになる. 引用の記事に戻れば,国立大学(独立行政法人)で研
一つの食品が品切れになるほどの熱狂について「『健康教』という一種の宗教に近い。視聴者は正しい生活習慣を身につけ、テレビは科学的、医学的根拠に基づいた健康情報を提供しなければいけないのに、納豆がいいと言われて飛びつくのは、ただ流行を追いかけているだけ。「赤ワイン教」の布教者(isbn:9784062690720)が,「健康教A」から「健康教B」に改宗せよ,と. 「科学的,医学的根拠」がコロコロ変わることを考えれば,どの宗派を信仰したところで結局は「流行を追いかけているだけ」の話. 「健康教A」か「健康教B」か,ではなく「健康教」それ自体を問題にしなければ,テレビ,新聞,雑誌,そしてネットとメディアを問わず,同じことが繰り返されるだろう. 自分ひとりで追いかける分には「勝手にどうぞ」と言いたいが,宗教らしく「異端審問」もセットになっているから,やっかいだ.
厚生労働省の「糖尿病実態調査」(02年度)では、糖尿病患者は約740万人、予備群は880万人と推計された。計1620万人で、成人の23%に達する。97年度実施の前回調査に比べ約2割増で、急激な増加が浮き彫りになった。97年から2002年の間に,日本で生活している人が「急激に」甘いもの好きになり,運動不足になったのだろうか?最近も公務員の飲酒運転が「急激に」増えているようだから,そうなっていたとしても不思議はないが. 答えは,99年の糖尿病基準の改定である(google:糖尿病 新しい基準). これは例えて言えば,昨日は身長をセンチメートルで測り,今日はインチで測って「身長が半分以下になった.大変だ」と言っているのと同じである.基準を変更した前後の数値をそのまま比較したデータに,データとしての意味はあまりない.ただ,「こんなに増えてるから大変だ」という脅しに使えることは確かだ. 実は99年に
米国によるイラク侵略が始まる以前に「米軍による攻撃が始まったらどうするのか?」という質問に対してイラク市民が「どうしようもない.家でじっとしているだけだ」と答えていたのを思い出す. 「ミサイルが飛んできたらどうするのか?」という問いを立て--今の日本でこのように問いを立てれば,答えは自ずから決まってくる--,それに対して法整備や軍事上の対抗策をあれこれ考えている市民が多い国は,気づいた時には先に攻撃を仕掛けた国になっているのだと思う. 「在日米軍のトマホークが飛んできたらどうするのか?」 北朝鮮の市民はこの問いに何と答えるのだろう.
定年退職をきっかけに、うつ症状が出る「定年うつ」が注目されている。仕事以外に楽しみの少ない「会社人間」だった人がなりやすく、最悪の場合、自殺に至ることもある。「定年うつ」をどのように防ぎ、・・・仕事以外に楽しみを持つ時間もないほど長時間働かされる「会社人間」をつくらなければいいと思う. たとえば,戦争で空から落とされる爆弾によって人が大勢死ぬのを防ぐためには,戦争を止めさせるしかない.その時に,戦争それ自体については一言も語らず,「爆弾に当たらないようにするためにはこうしろ,ああしろ」と説く人を,わたしは戦争に加担する人とみなす. これと同じように,「会社人間」を作り出す長時間労働については一言も触れることなく,「うつ病にならないためにはこうしろ,ああしろ」と説く医学(医師)は,その原因を隠蔽することに加担している. 原因を隠蔽するだけではない. 防ぐための方策を個人の行動に求めることは,
「普通の市民」という言い方は「普通でない(異常な)市民」の存在を前提としている. この世から女性が消えたら,男性だけの社会になるのではなく「男性」も消滅する.なぜなら,そこでは男女という区別が意味をなさなくなるからだ.同じように,ヤクザが消滅すれば非ヤクザとしての「普通の市民」は消滅する.オウム信者が消えたら非オウムとしての「普通の市民」は消滅する.そして,デモを組織する人や参加する人がいなくなれば,非デモとしての「普通の市民」は消滅する. 「異常な市民」としてわたしの頭に浮かぶのは,誰にマイクを向けても同じ答えしか返ってこない国の市民である.そうした国では,異議を唱える「異常な市民」は刑務所に入れられ,市民としての資格を剥奪されているのだろう.残ったのは,誰も彼もが同じ答えしか返さない異常な「普通の市民」である. 「異常な市民」を社会から追放し続ければ,その先に待っているのは「普通の市民
喫煙によって必要以上にかかる超過医療費も、約1兆3000億円に達しているとの研究がある。数字はどうでもよい.おそらく,「スポーツ・イベントの経済効果」と同じくらいの「正確さ」はもっているだろう. 「必要以上にかかる医療費」という言い方は,医療費には「必要な」分とそれを超えた,「必要以上」のムダな医療費があるということを意味している.ここで言われている「必要以上にかかる超過医療費」とは何かといえば,「ある行為をやめることによって,発生を抑えることのできる医療費」のことである.そして,それは必要でないがゆえに抑えるべきものである,と. この議論は喫煙以外にも,簡単に応用できそうだ. 出生前診断によって,生まれてきた後に「ふつうの人」よりも医療費がかかることがわかっていても出産した親に向かって,「あなたが中絶していれば(産むのをやめていれば),この子に必要以上の医療費がかかることもなかったのです
「外務省や各国大使館のホームページで広報」しておきながら,どこが「私的参拝」なんだ?これでも「私的」と言い張るのなら,今度は「外務省や各国大使館のホームページ」の私物化という問題になる.
リスク わたしは先に述べたように,喫煙は肺がんを引き起こす確率を高めるということは認める.ただし,その大きさはほとんどゼロだ. 「リスクを高める」というのであれば,外出は通り魔に遭うリスクを高めるし,交通事故に遭うリスクを高める.外出しない場合には通り魔に遭う確率も交通事故に遭う確率もゼロだから,外出することによるリスクは無限大に高まる*1.しかし,実際に外出して通り魔に遭う確率はほぼゼロだ.「外出すると通り魔に遭うリスクが無限大に高まるから,外出は控えよう」という言い方が馬鹿げていることにはほとんどの人が賛成するだろう. 肺がんになる確率は通り魔に遭う確率よりは確かに大きい.「がんの統計'03」(資料編14「喫煙と肺がん」)によれば,20から24歳で喫煙を始めた男性が肺がんで死亡する割合(確率)は10万人当たり114人,つまり0.1%である.これに対して,非喫煙者の場合には0.02%で,
政治家が自ら「内政干渉」だって言ってるじゃないか.つまり,参拝は私的行為じゃなくて政治的行為だ.「私的行為」だと言うのなら「内政干渉」だとは言えない.
喫煙が変えやすい要因だから選ばれているという意見には賛成です.わたしとしては「調べやすくて,変えやすいと思われている要因だから」と言いたいですが. Sugiyama さんのように「変えやすいから選ばれた」と理解されている人ばかりだといいのですが,現状では「喫煙は肺がんの唯一最大の要因である」と誤解している人が多いと思います.だから,反喫煙の風潮がここまで広がったのでしょう. わたしは遺伝よりも長時間労働や経済的格差といった社会的な要因の方が重要なのではないかと思っています.喫煙のみにスポットライトが当てられているのは,こうした要因を隠したいという意図もあるのでしょう. こうした問題はすぐにひとりでどうにかできるものではありません.しかし,喫煙それ自体がそうであったように--昔は電車の中でも喫煙が自由だった--変えられないものではありません.どういうわけか,こうした要因については調べられては
今日は別の話を. 喫煙と肺がん,あるいはより広く健康や平均寿命との関係について医学者は何をやっているのかという点について誤解があるようなので,それについて書いておきたい. 肺がんを発生させる要因は無数にあるので,それらをすべて調べるわけにはいかない.したがって,その中からいくつかを取り出して調べることになる.どの要因を取り出すかを,教科書は教えてくれない.調べることが難しいものは除外され,さらに「多数派」を批判するような要因を調べる場合に必要なのは科学ではなく,「根性」や「良心」である.こうしたさまざまな要因によって選ばれたいくつかの要因と肺がんとの関係を調べたものがマスメディア等では大きく報道される. たとえば労働時間や遺伝,あるいは経済状態等の要因について,おそらくは調べられてはいるのだろうが,大きく取り上げられることはない(あったら教えてください). これは,たとえて言うならばイラク
元のエントリーよりも,このコメント欄を読んでいたら,腹が立つやら絶望的な気分になるやらで,タバコを数本吸ってしまった. 「受動喫煙」だとか「周りの迷惑」云々と言っている人は,生きてる時代や場所が違っていたら,ハンセン病患者やユダヤ人に向かって「周りの迷惑を考えて生きているのか」と言っていそうだ.ハンセン病患者隔離もユダヤ人排斥も当時の「科学」を根拠にしていたのだから. タバコについてはこれまでも書いてきたし,最近出版された「禁煙ファシズムと戦う」(isbn:4584120994)には触れられていない点も数多くあるので,これからも書くつもりだが,今日はひとつだけ. 反喫煙論者は喫煙者の「タバコ正当化」に対して,「自分の父親はタバコを吸ってたけど長生きした等の個人的エピソードを持ち出して」云々という批判をすることがある.こうした批判とこのエントリーが受け入れられることをあわせて考えれば,個人的
消費税は派遣などの「外注」タイプの非正規雇用を増加させる方向に働く.そして消費税率のアップは,正社員よりも派遣を使うことの企業にとってのメリットを拡大する. 仕組みを説明する前に,まず派遣会社や「節税」のサイトを見てもらいたい. ECCベストキャリア 株式会社 キャリア・プロデュース 弱小人材派遣会社社長のブログ 税理士藤本事務所 このように派遣会社は「消費税がおトクですよ」と派遣のメリットを説明し,税理士も節税の方法として派遣を勧めている. なぜ派遣にすると節税になるのか.それは消費税の「仕入税額控除」という仕組みにある. たとえば,今,A社が1万円でB社から原材料を仕入れ,それを加工して1万5000円でお客に販売したとしよう.この時,A社が納める税額は 1万5000円 x (5/105) = 714円 ではない.A社は1万円でB社から購入した原材料についてはすでに 1万円 x (5/1
また、職場のメンタルヘルス(心の健康)対策について、「職場の人に知られるのが嫌で相談に行かない人が多い」との意見があり、大綱案では、相談しやすい環境整備のため、職場の管理・監督者に正しい知識を普及して、心の健康問題への誤解や偏見をなくすことなどを盛り込んだ。労働のあり方を問うことなく,問題をただひたすら「心の健康」に解消することは,「心が病弱な人」という新たな「誤解と偏見」を生み出すだけである. もっとも,会議のメンバー(医学関係者が多い)を見れば議論がこのような方向にまとまることには納得がいくけれど. タイトルだけ見て,医学のことかと思った. 参考: メタボリック市場、太る 2千万人に熱視線 メタボリックシンドローム関連市場に関する調査結果 医療制度改革で拡大するメタボリックシンドローム市場(pdfファイル) 川島教授は「税金を使わず、研究を発展させられる産学連携の成功例」と話している。
トラックバックが来たので. 無駄な既得権の特定郵便局への税金支出を減らす。ということと、「350兆円は国債運用に」という話は対立する概念ではないよね。 郵政事業は独立採算で行われているので,税金は支出されていない. 「80兆円のうち40兆円が人件費」というデマにしてもそうだが,どうしてこのような話が受け入れられてしまうのかと言えば,「改革しないと日本が崩壊」と脅迫され続けてきた結果,冷静に考えることができなくなってしまっているからだろう.ちょうど,親族が死んだ時に冷静になることができずに葬儀屋の言うとおりに葬式を発注してしまうのと同じだ. 葬儀屋を呼ぶ前にまず死んだのかどうか,冷静になってみるべきなのだ.死んでもいないのに,葬儀屋を呼ぶ必要はない.死ぬ前に来た葬儀屋には帰ってもらえばいい.「どの棺おけにするのか?」(「対案を出せ」)という問いに対しては,「誰も死んでいない」と答えるだけだ.
以前にも書いたように,選挙の争点は郵政民営化だけではないと考えるが,このブログは人気があるようなので(こうして民営化について書くことが,「相手の戦略に乗ってしまうことになるのでは?」という批判はありうるかもしれないけれど). 9日付のエントリーでは,小泉首相の書いたものを引用していわゆる「ムダ遣い論」を展開している.ところが,この12日付のエントリーでは「・・・厳密に言えば郵政民営化の基本方針にある通り「郵貯・簡保の340兆円の運用に際しては、安全性を重視する」と書いてあり、基本的に国債で運用される見通しなので・・・」と書かれている. つまり,民営化されようがされまいが,国債を買い支えるという行動は変わらない,したがって「ムダ遣い」を支えるという構図には変化がないということ. こうなるとさらに矛盾が出てきてしまう.「このままムダ遣いを続ければ財政は破綻する」と言いつつ,同時に「国債で運用さ
「財政再建ユーフォリア」とでも呼べばいいのだろうか. 「はてなブックマーク」を見ても,郵政民営化とその否決による解散に多くの関心が寄せられていることがわかる.もっとも,これはブログ界だけの話かもしれないけれど. 「増税や公共サービスの低下に耐えないと財政再建はできない」なんてコメントを読むと,「そこまでして達成しなければならない「財政再建」って,あなたにとってなんですか?」と聞きたくもなる. だいたい,何がどうなったら再建できずに「破綻した」と言うのか,さっぱりわからない.まさか,政府の徴税機能がストップするとでも言うのだろうか.もっとも,そうなったらなったで「純粋な資本主義」が実現するわけで,それはそれでめでたいかもしれないけれど. この「財政再建ユーフォリア」を目の前にして思うことは,政府の「財政破綻」キャンペーンは成功しつつあるな,ということ.その意味では経済学でいうところの「非ケイ
今回の解散の理由、選挙の争点は全てこれに集約される。 そしてこれを補完するのが、コメント欄でも紹介してあった、自民党中川秀直国対委員長の↓この発言 「歳入が40兆円しかないのに支出が80兆円もある。こんな事で国が持つ訳が無い。80兆のうち40兆は公務員の給料。それを削るには公務員を減らすしかない。だから経営が優良な郵政からやる。これが出来なきゃ公務員なんか減らせるわけ無い。日本は持たない」 もし周りに「郵政民営化?良く分かんな〜い」とか言ってる人にはこの二つの発言だけでもプリントアウトして見せりゃいい。この考え方に賛同する人は自民党を応援すればいいし、反対する人即ち「大きな政府、官主導で結構、役人天国もやむを得ない」という人は民主党か自民党から公認を与えられなかった守旧派に投票すればいい。 40兆円が国家公務員の給料??? 2005年度の一般歳出が約47兆円で,一般会計歳出(=一般歳出+地
「既得権を守る」,あるいは「既得権益に固執」という言葉で語られるのは,この郵政民営化だけに限られたことではない.しかし,既得権が守られない社会というのはどんな社会だろう. たとえばあなたが社会人なら,「お前より優秀な人を採用するから,お前はクビだ」という企業の行動が何の問題もなく認められる社会.学生なら「お前よりも優秀で,卒業後は確実に就職してくれる学生を編入させるから,お前は退学だ」という学校の行動が認められる社会.あるいは,あなたが賃貸マンションに住んでいるのであれば,「お前よりも高い家賃を払って住みたいという人がいるから,お前は出て行け」という貸主の行動が認められる社会. こんな社会で生きていくのは,わたしにはちょっとつらい.不安で不安でしょうがない.社会人であれば,不安で仕事に集中できない.学生だったら,落ち着いて勉強できない. 「既得権」でも,「コネ」でもいい.そうしたものがすべ
わたしはこの教科書がいいとは思わないけれど,たとえ日本中のすべての学校で使われたとしても,大したことはないと思う.「つくる会」の人たちが理想とするような,「自虐史観」から自由な,「日本人としての誇り」を持った人が,この教科書の採択率と比例するかたちで増えることはないだろう.なぜなら,学校で使われる教科書がわたしたちのものの見かたや考え方に与える影響はとても小さいからだ. 教科書によって「自虐史観」に「洗脳」されてしまっていたのであれば,これほど「つくる会」の教科書を支持する人がいるはずがない.つまり,このような教科書を支持するということは自分が勉強していた時の「自虐史観」教科書に書かれていたことには,ほとんど影響を受けていないことを示している(そもそも授業で現代史まで取り扱うことはほとんどないだろう). 「いや,勉強していた時には「自虐史観」に影響されて南京大虐殺を信じていたが,その後,自
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