本稿は TeX & LaTeX Advent Calendar 2021 の23日目の記事です.22日目は t-kemmochi さんでした.24日目は golden_lucky さんです. 今回はタイトルの通り,jlreq と expl3 を用いてとある学会の年次大会予稿集向けの文書クラス NLProceedings を開発した話をしたいと思います.具体的には,どういった目標や目的意識を持ち,どんなことに気をつけて文書クラスを設計したのかという話を中心に進めていきます.その中で,依拠する技術的成果物として jlreq と expl3 を採用した理由についても説明したいと思います. 一方で,一部の方は期待はずれに思われるかもしれませんが,文書クラスの実装の中身を技術的に詳しく解説することはしません.というよりも,そもそも NLProceedings の実装において,解説が必要になるほど技術