暗澹たる念いだ。一億総中流、社会主義の理想は西側陣営の日本に於いて 達成されたとまで喧伝された、あの日本は、どこへ行ったのであろうか。 原因は、冷戦の帰趨にある。左派勢力との政治決戦に大勝利した 保守勢力は、冷戦勝利のために編み出した、修正資本主義の修正箇所を 四半世紀かけて消して行った。それが、「戦後政治の総決算」の正体だ。 具体的には、税制である。修正資本主義の精華たる累進課税を、 国民に気づかせぬまま、緩和してしまった。 格差社会、貧困時代は、来るべくしてやって来たのである。 手をこまねいていた左派勢力というのは、一体何なのだろう。 僕は、何十年も有権者をやっているが、旧社会党なり共産党なりが、 「累進課税緩和反対」「累進課税を修正資本主義時代に戻せ」と主張したのを およそ耳にしたことがない。聞こえたのは「消費税増税反対」こればっか。 バカのひとつ覚えとは、よく言ったものだ。 赤旗志