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掃除・片付け
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最近、このブログの更新が滞っていた。読書していないわけではないのだが、紹介しても読みたいと思う人がいないと思われる古い本や、必要な部分だけ読めばすむ本、あるいは紹介する気の起こらないような本ばかりだった。久しぶりに、新刊で紹介するにふさわしい本を読んだ。 白波瀬さんは社会階層研究者で、オックスフォードで学位を取った俊英。といっても、研究スタイルは地道そのもので、世界各国のデータを丹念に分析し、知見を積み上げていくタイプ。文体も地味で、読んでいてわくわくするようなタイプとはほど遠い。本書は前著『日本の不平等を考える』の日本に関する部分を抜き出し、さらに官庁統計などによってマクロな社会的背景について補い、これを誕生から老後までというライフステージの順に配列したもの。ですます調の文体といい、一般読者にわかりやすくする工夫がされている。岩波新書編集部的文体、という点では橘木俊詔の『格差社会』と共通
出版間もなく著者から送ってもらっていたのだが、ようやく読了。著者の主張は、ある意味では単純明快で、「格差社会の"主成分"は学歴だ」というもの。つまり、日本では職業に関連して定義される階級・階層よりも、大卒と高卒に二分された学歴の方が重要で、これが格差の基盤になっているというのである。 理解できなくはない。とくに最近は、自営業の比重が減少したこと、零細企業の起業が難しくなっていること、高卒の正規雇用が縮小したことなどから、学歴差は大きくなりつつある。日本の社会が大卒者と高卒者という二つに大きく分断されているというのは、ひとつの見方としては正しい。 しかし問題は、学歴そのものが経済的な格差を生み出しているのではないということである。大卒だというただそれだけで、お金をくれる企業はない。大卒であることが何かの職業や地位に就くことを可能にして、ここから高卒との格差が生まれるのだから、重要なのは学歴間
これまで、はてなダイアリーのアカウントを2つ使ってきましたが、1つにまとめることにしました。これにともなって、このブログを引っ越します。今月いっぱいで、こちらの方は停止しますので、再ブックマークをお願いします。 橋本健二の読書&音盤日記 NEW 都市や住宅と思想史を結びつける「空間政治学」を構想し、多くの成果を上げつつあるのが、原武史。対談の相手は、都市に生きる人々を温かい目で描き、団地を舞台とする作品も多い重松清。名コンビである。原の博識が、重松の柔軟な発想によって、絹糸のように形をとって紡ぎ出されてくる。団地の中に、日本の戦後史が立ち現れる。 原によると、所得制限があって中産階級しか入れなかった団地は、英国の郊外住宅地のように保守政党の地盤になる可能性もあったのだが、学校や公共施設の不足を共産党が積極的に取り上げたこと、とくに教育問題が母親たちの関心をひきつけたことから、革新政党の地盤
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