構造式を2次元に描画することは人間が分子の形・性質を理解する第一歩です.これまで「RDKitの分子Molオブジェクトを扱う」という記事ではRDKitにおける分子の扱い方や描画方法を学びました. また「RDKitを用いた部分構造検索とMCSアルゴリズム」という記事では複数分子の間の共通構造の探索を,実際に構造をハイライトしながら学習してきました. 注意深い方は気がついていたかもしれませんが,RDKitでは複数の描画エンジンが存在していて,用いるメソッドによって描かれる構造式の見た目が違います.今回はRDKitの構造式描画について掘り下げていきながら,2015.03のアップデートより利用可能になったSVG形式での描画方法について説明していきます.やや細かい内容が多いかも知れませんが,裏側で何が行われているかを垣間見ることで理解が深まることも多いはずです. すぐに使える内容が知りたい方は「rdM